Moral Hazard!!

ドラマーが音楽やホームページやガラクタを作るよ。

月島なんじゃもんじゃ

5 Comments 旅行記,

もんじゃ・・・関西人と関東人が絶対に分かり合う事が出来ない粉モンの悪魔・・・。
関東人は焦げをこそぎ食うが粋とのたまい、関西人はそんなゲ○ロ(伏せ字)が食えるかと毒を吐く。

有史以来袂を分かったままの両者が少しでも歩み寄れば・・・と一縷の望みを東京在住の友人に託すべく、東京は月島、もんじゃ焼きの本場に向かった。


メインストリートは右も左ももんじゃ焼き屋さん。
ももんじゃではなくてもんじゃ焼き屋さん。
そう、まず関西人である筆者には「もんじゃ」という言葉が食べ物に割り当てられている事自体に違和感を覚えるのだ。

数年来に会う友人夫妻と一緒に店に入り乾杯。

「まずは海鮮焼きと一品ものを頼もうか!」

そういえば聞いた事がある・・・。
もんじゃ焼きとは駄菓子屋で出されたおやつがその由来だと・・・。
関西人のソウルフード、お好み焼きは、メインディッシュ。
お好み焼きをおかずにご飯を食べる外道もいるが、まずお好み焼き屋さんではお好み焼きを頼み、白米をわざわざ頼むやつなど聞いた事がない。
つまりそもそもがご飯とおやつという異種格闘技戦、同じ舞台に上がる事自体おかしいではないか!

そんな一抹の不安をよそに、友人夫妻は不適に笑う。

「一回食べたら通う事になるよ!」

これだ。
何故こんなに自身満々なのだ。
厨房から出てきたもんじゃセットをおもむろに溶き、鉄板に流す。

聞いた事がある。
もんじゃ焼きは、まず種となる野菜や水に溶けた小麦粉をサークル状に広げて土手を作り、その中に小麦粉汁を流し込むと。
関西人が一番ひっかかるのは、その面倒な過程を経て出来上がるものg

土手、決壊してるー!

ダイレクトに鉄板の廃棄孔に流れていく小麦汁、慌ててコテで鉄板中央に集めるもんじゃ調査会メンバー!
あかんやん、これ欠陥料理やん!

ショッキングなイベントに話がそれたが、この手間ひまをかけて出来上がる物体があの何とも言えない居酒屋のトイレにぶちまけられているチックな食べ物であるという事実が、関西人の口角を歪める理由であろう。

このビジュアル・・・。

それに比べてみよ!

さきほどもんじゃエマージェンシーを引き起こした夫妻が作り出した小麦の芸術、お好み焼きを!

美しい・・・。
UFOと見まごうばかりの美しい円形、そそる香り、そして何よりマヨネーズの前衛芸術がごとくのバランスで編み目模様をこしらえている。

この芸術品を各々がコテを使い、暗黙の陣取りゲームで切り取っていくお好み焼きに対して、焦げをつつくもんじゃ焼き・・・。

申し訳ないがビジュアル面では完p・・・

『ちょっと待ったー!』

泣きの一回、もう一枚をお店の人に焼いてもらう事で面目躍如を狙うもんじゃ調査会東京メンバー。
メニューは・・・

「ドリアもんじゃ」

やる気あんのかー!?

叫ぶ私を一瞥もせず、土手を作り始める店のおかみさん。

こ・・・これは・・・。

一見異質に見えるライスとホワイトソースが混ぜられたタネ、そこから薫る西洋からの風・・・。
これは油断してはならない。
名前のイメージからは想像出来ない食欲のウェーブが僕の海馬を刺激している・・・。

「溶き汁は少しずつ、様子を見ながら入れていくんだよ・・・」

おかみの無駄のない手つき、説明、こいつ・・・プロだ!(店員です)

そして澱みのない製作過程を経て生み出されたのが!

やっぱりコレやんけー!

やはりどうしても関西人にはこのビジュアルは受け入れられない。
しかし、味は・・・Good!!

ドリアの米が、ホワイトソースが、主張しすぎる事もなくもんじゃ焼きにとけ込んで・・・若者言葉
「普通においしい」
を使わざるを得ない。
そう!異質はなずなのに違和感がないのだ!

はっ、そういえば・・・最初に頼んだのも

「明太チーズ餅もんじゃ」

という一聴してゲテもの!と意識してしまったが、餅も明太も見事なハーモニーを奏でていたではないか・・・。
やっちんよ、お前は
「こげ始めのおいしい時間って短いよね!もんじゃは江戸っ子のコミュニケーションツールやぁ!」と見事に術中にはまっていたではないか・・・!?

そう・・・So・・・爽・・・。
これは・・・この感じは・・・日本全国、いや世界中から異質な文化が流入してくるこの都市、全てを飲み込み許し調和し成長するマッドシティ『東京』そのもの・・・!

会計を済まし店を後にするその直前、何の気無しに振り向いた先にあった様々なメニューに、僕は東京という魔物を垣間みた・・・。

でもやっぱこのビジュアルは無いわー!

(ごちそうさまでした、また行きましょう)