Moral Hazard!!

ドラマーが音楽やホームページやガラクタを作るよ。

ジョン・マスター・オーガニックに騙されたので、オリーブの収穫からガチでオーガニック石鹸を作ってみた

2 Comments DIY,,,

こんにちは、この夏から頭皮トラブルが酷くて、ちょっとでも髪にいいものを…!とオーガニックシャンプーを使いだしたら、9月にそのシャンプーが成分偽装で自主回収騒ぎになっていることを知り、絶望しましたやっちんです。

偽装なのか誤表記なのか、そのあたりは「ジョンマスター 偽装」あたりで検索して頂くとして、僕と僕の頭皮のショックは計り知れない。
抜けた髪の量も計りたくない。

全商品でほとんど成分が間違ってるとか、

公式「返金対応はしない、正しい表記の商品と交換する」

それって中身は一緒のものが返ってくるだけやん…。
とか全く納得のいかない対応事ばかり。
※ちなみに百貨店(大丸)で購入したシャンプー類は、クレジット、レシート、何かしら購入履歴が分かるものがあれば、大丸が返金対応してくれました。百貨店最高!

いや百貨店の公式ショップで可愛いお姉さんに

「えー、家でラベンダー育ててるんですか?オーガニックの才能ありますね!」

とか言われて、オーガニックの才能ってなんだ?とか思いながら気が付いたら1万円以上のシャンプーやらリンスやら風呂上りにつけるスプレーみたいなん買ってた自分をビンタしてやりたい。

もう誰も、信じない。

何がオーガニックだよ。
てか、オーガニックってなんだよ。
「WEB : 農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさします。」

そうだよ、商品が形をなす前のことなど知ることはできない。
JAS(日本農林規格)はどこまで厳格なの?
じゃあ真の意味のオーガニックって自分で播種から全部見てないと確定できないじゃないか!
いや、種の時点で防腐処理をされてたら…そもそもその種を実らせた木がオーガニックではなかったら…?

鶏が先か卵が先か、になってしまう!
もうオーガニックかどうかは、自分で決める!

俺が、オーガニックだ!(刹那・F・セイエイ)

オーガニックシャンプーに費やした数万円(8割帰って来たけれど)を真の意味で取り返し、自分の心の中に平和が訪れるためには、

自分で、作る。

そう決意した時に某デザイン会社から一本の電話。

「やっちん、オリーブの収穫とか興味ない?」

オリーブ…油…石鹸!

そうだ、自分でオリーブを収穫して、オリーブオイルを精製し、そこから石鹸を作ればいいのだ!

「やっちんと申します、オリーブオイルで石鹸を作るために参加しました!」

気が付けば有志が集うオリーブ収穫イベントで自己紹介していました。

某所のオリーブ

神戸市某所のオリーブ。
基本街路樹として植えられて(放置ぎみ?)なので、僕的オーガニックと認定。
※もちろんきちんと許可を得て採取しております。

オリーブを集めるためのネット

100均で売っている、洗濯ばさみを集めるネットを腰に装備。
これに収穫したオリーブの実を集めるのだ。

オリーブの実収穫

放置気味の枝ぶり、雑草…間違いない、これはオーガニック!

オリーブの実、青

完熟でない早摘みのオリーブ。
これがエキストラバージンオリーブオイルになるんだって。

熟しかけたオリーブ

この時期は熟しかけたオリーブオイルが多かった。

1時間ほど集めた後、このオリーブイベントの主催者である某先生からオリーブに関するレクチャーを受けて、

オリーブの新漬け

先生が漬けた「オリーブの新漬け」を頂く。

オリーブの新漬け

美味しい。

「パンもありますよ~オリーブオイルもありますよ~」

しばしオリーブを味わったのち、オリーブオイルの搾り方を教わる。
他の油がとれる植物に比べて、オリーブから油を取るのはなかなか手間らしい。
(油の分子が小さくて、分離するのが大変なんだとか)
しかし手間を惜しんでいては、オーガニックに傷ついた僕の心は晴れない。
挨拶もそこそこに、オリーブオイルを搾油する方法をネットで調べる。

オリーブの実

まずオリーブを洗う。

オリーブオイルを取るためには、この実を潰して手で1時間(!)揉んで、沈殿させる、という方法が一般的だそう。

今回は、

「実から種を抜いたもの」
「種だけ」
「実と種を一緒につぶす」

と分け、また、作り方も

「手でもむだけ」
「ミキサーにかけるだけ」
「ミキサーにかけて手でもむ」
「石臼を使ってすり潰す」

「石臼を使ってすり潰す&揉む」

など、いろんな方法で油を搾ってみることにした。

実だけにしたオリーブをもむ

種を抜いたオリーブを、揉む。
1時間ひたすら揉む。
非常にしんどい。

実だけにしたオリーブをもむ

並行して、石臼(何故かある)を使って挽いてみる。
紀元前にはオリーブを石臼で挽いて、藁で濾して油を採っていたそうだ。

オリーブを石臼で挽く

原始に思いをはせながら、石臼を回す。

石臼で挽いたオリーブ

石臼だと種ごとペーストにできて便利。

油が出てきたオリーブ

ペーストをジップロックに入れてもみもみ1時間。
油っぽい色の液体が染み出てくる。

沈殿前のオリーブオイル

沈殿前のオリーブオイル。油すくねぇな。こら儲からんわ。

沈殿前のオリーブオイル 表面

表面もほったらかしたインスタントラーメンみたいで不衛生的な見栄え。
(衛星には気を使ってますよ!)

沈殿させたオリーブオイル

一晩沈殿させたオリーブオイル。
油と2色の澱が出ている。

フィルターで濾したオリーブオイル

スポイトで吸い出して、フィルターで濾す前のオリーブオイル。
まだ少し濁っている。
この後に濾したオリーブオイルがとても綺麗だったのだが、写真を撮り忘れた。

色々試してみたのだが、実だけをミキサーにかけると細かくなりすぎて?揉みにくく、結果あまり油が取れなかった。
取り出した実だけをそのまま潰さずジップロックに入れてから手もみで潰す作業は、力が必要でしんどかった。
用意した石臼だとサイズが小さくて軽いためか、種ごとオリーブを入れると浮いてしまう。押しつぶすのに力が必要。
ただ、大変な分、沢山綺麗な油が取れた。

で、そもそも種からオイルって採れるんだろうか?というのが気になって、種だけを集めて石臼にかけてみたところ、

オリーブの種だけペーストにした

完全に犬の散歩で産出されるアレになってしまった。

しかし、個体に近い分かなり揉みやすく、ここからもしっかり油が取れたし、2種類の澱のうち、灰色の澱がほとんど出なかった。
(あれが実の澱なのか?)

で、実際にオリーブ工場ではすり潰したオリーブのペーストを遠心分離器にかけてオリーブの油を抽出するらしいが、あいにく遠心分離機を作る時間がない。
(オリーブは取ってそばから傷んでいくので、マッハで製油する必要がある)

オリーブオイルぶん回し

なので、自分でぶん回してセルフ遠心分離。(黄色いのはオリーブを入れたバケツ)
しんどい割にはあまり分離しない。遠心力を利用するには形状と速度を考える必要がある。
やはり機械を作るしかない。

と言うわけでオリーブオイル完成!

自家製オリーブオイルとイタリアンパセリでタイのカルパッチョ

祝いのカルパッチョ。
(自家製オリーブオイルと自家栽培イタリアンパセリで鯛のカルパッチョ。鯛は買ってきた。釣りたい)

美味しいが、ゴールはここじゃない。

いよいよオリーブ石鹸の製作に向かう。

オリーブオイルに苛性ソーダを混ぜる

まずオリーブオイルに苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液を混ぜる。
この苛性ソーダは劇物で取り扱い注意、薬局でも劇物譲受書にサインする必要があったりします。

オリーブオイルと苛性ソーダを混ぜる

50度くらいに温めながら、苛性ソーダと油が化学反応を起こして、「鹸化」するまで混ぜる。
手袋必須。

ミキサーで混ぜる

飽きたので、ミキサーで混ぜる。

鹸化

無事、鹸化しました。
ほのかにオリーブ色。これを

卵豆腐の型に石鹸を入れる

卵豆腐の型に石鹸を入れる

卵豆腐の容器に入れて…

石鹸を寝かす

発泡スチロールに入れて暗所保管。

7日ほど置いておくと…

自作オーガニックオリーブ100%石鹸

自作オーガニックオリーブオイル100%石鹸の完成!!
混ぜ物なし!オイルと苛性ソーダと水だけ!

本当なら貝殻と草木灰から水酸化カリウムを作って、水もどっか山奥の湧水を汲みに行って、などしたかったのですが、僕も仕事ありますんでね。
また今度。

さて、オリーブオイルで作った石鹸は泡立ちが悪いと聞きます(だから色々混ぜるんだね。あと香りづけ)が…

石鹸を試すためにわざわざ手を汚す

石鹸を試すために、畑でわざわざ手を汚してくる。

オリーブ100%でも泡だつ

おお!きちんと泡立つ!

オリーブオイル石鹸で手を洗う

素晴らしい泡立ち!

オリーブオイル石鹸で手が綺麗

手もぴっかぴか!最高!

俺が!オーガニックだ!(石鹸だ)

さて、オーガニック王が誕生しました。
実際にはまだ石鹸が固まりきっていないので、お風呂で使うと湯気で溶けてしまいます。
なので1か月は乾燥させないといけないようです。
それでも頭と体を洗ってみましたが、かなり使い心地が良かったです。
べとつきもなく、乾燥することもなく、そして臭いがしない。
人工的な香料の臭いが好きではないので、最高です。

今後の目標としては、香りづけにラベンダー、ミント(今も育ててるけど数が少ない)、そしてアーモンドオイルなんかを混ぜて石鹸Ver.2を作ってみたいと思います。

俺が!オーガニックだ!

(気に入った)