Moral Hazard!!

ドラマーが音楽やホームページやガラクタを作るよ。

春だ一番!シンバル祭り!

3 Comments DIY,Music

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シンバル…その鈍い金色の光を放つ満ちた月の如き真円は、我が手の荒くれたる木片により打ち鳴らされ、数多の生き物の耳を奪うであろう…。

つうわけで、シンバルです。
相変わらずこのコーナーではボケなしです。

ドラマーだったら、ライブハウスで、スタジオで、座ったドラムセットのシンバルが割れてる!なんて事態に出会ったことが必ずあるはず!
そして割れてしまったシンバルの力ない音に腰砕けにされ、僕は思うのです。

「せめて元通りにはならないまでも、練習に支障が無い程度に修理できないのか?」

でも相手は金属ですからね。
われわれが用意できる治療アイテムはセロハンテープか絆創膏ぐらいのもの。

それでは今回も、彼に出てきてもらいましょう。

親父~!(実父です)

親父「溶接、してみよか~」

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まず素材を用意します。
普段懇意にしてもらっている某ライブハウスから、割れたシンバルをかっぱらってきます。
ライブハウスのドラムってのはとにかく消耗品。
色んなジャンルの、そして初級者から上級者までの様々なドラマーが毎日とっかえひっかえドラムを叩き、シンバルを鳴らすわけですから。
この…淫売め!(シンバルを睨め付けながら)

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そして自分を売ることに疲れた女シンバルをやさしく介抱しながら、割れた箇所をチェックします。
今回用意したシンバルは三枚。
シンバルの端から縦に割れ目が入ったものが二枚と、横に入ったものが一枚。

親父「一枚溶接しようと思ったら溶けてもたわ!」

シンバルを親父の会社に置いておいたら、僕のいない間に勝手に一枚溶接して、強すぎる火力で溶かしてしまったそうです。

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これがその溶けたシンバル。

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あらあら、こんなに恥ずかしい穴が開いてしまって…

まずはこの恥ずかしい子の恥ずかしい穴を削って、社会復帰させましょう。

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傷ついたシンバルをいきなり激しい突起と振動で苛め抜く親父。
「やめてぇ~~~!」
とも取れる絶叫にも似た轟音が工場中に響き渡る。

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そして電気により高速に蠕動する荒々しい機械が敏感な部分に直接あてがわれると、もう観念したのか、シンバルは親父の手の中でぐったりと動かなくなった。

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あほちゃうか?(冷静な目であくびをしながら犬が。)

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まぁそんな感じで、穴が開いた部分を丸ごと削って口径を小さくするという作戦です。
ふちをなんとなく整えます。

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外周部分が取れました。
今日用意したシンバルは全部18インチなので、このシンバルは約17インチってところでしょうか。
青く見えるのは沢山のドラマーたちがその卑猥な手で触った跡、つまりサビです。
(もういい)

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次は溶接です。
本来ならば「この粘液質の白濁した某を傷口に教えて、溢れる」などといったナレーションが入るのですが、そろそろ飽きてきたので普通に。
割れ目には「銀ロウ」というのを溶かし込んでみるそうです。
(親父はシンバル職人ではありません。あしからず)

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銀ロウ。

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そしてゆがんでしまっている割れ目をペンチで曲げる。

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酸素バーナーで銀ロウを溶かす。
高温すぎてシンバル自体が溶けないように注意しつつ、割れ目に流し込む。

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溶接完了。

歪みが出てしまうのはしょうがないが、試しにハンマーで叩いてみる。
市販の高級なシンバルは、職人によるハンマー打ちで音色を調整されるのだ。

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叩く。

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割れた。(写真では見えませんが)
悲しいことに、高温にさらされたシンバルは焼きなまってしまって、非常にもろくなってしまっていた。

僕「まぁ練習用シンバルやからええやん。」

彼は納得しないようで、その割れ目をさらに修復。

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緑色の炎が綺麗。デートコースにいかがでしょうか?
(送迎あり)

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完了。
(上のシンバルよく見るとたわんでますね。)
それでは出来上がった三枚のシンバルの音を聞き比べてみましょう。

外周を削った約17インチのシンバルの音
サスティン(残響音)は割れてた時に比べてしっかり残るんですけど、嫌な音の揺らぎがあります。
今回加工したシンバルは全部ジルジャンの18インチロッククラッシュのみです。
割れてないものを持っていないので、本来のロッククラッシュがどんな音かってのを提示できないのが悔しいですが。

次はこれ。

焼きなましがはいったシンバル。
やはりサスティンが気になるのであくまでも練習用といったところでしょうか。

ちなみに割れてない同口径の18インチAカスタムシンバルの音
かなり薄めのシンバルなので比較対照にはなりにくいですが、まぁ鳴らしてもワウがかかったような音の嫌な揺らぎはないです。

この結果に納得しない親父は、約17インチになったシンバルの外周を削り始めました。磨きをかけてフチを薄く!

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で、完成。
確かセイビアンのシンバルに似たような模様のシンバルがありましたが…。

17インチに磨きをかけた偽ブリリアント加工のシンバル
実際耳で聞いたらキャラクターが明るくなって、親父と
「やっぱ磨きをかけたら明るくなるね!」
と喜んでいたのだが、マイクのせいか、実際の音は磨きをかける前とほとんど変わらず。でも結果はこれが一番良い気分で叩けます。

結論:割れたシンバルは修理したら練習ぐらいには十分使える。

次は親父をそそのかして、自分が欲しかったスプラッシュシンバル(口径の小さい可愛いシンバルです。音が知りたきゃスピッツでも聞け)を作ろうと思ってます。

それでは、また。

おまけ。

打楽器は女性と同じ。
力任せにぶっ叩くとこんな詰まった音になります。
(録音はピークを超えていません)
狙ってやるなら良いんだけどね。
ライブ中感情的になると、僕もやっちゃいます。
難しいね…。

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切り取ったシンバルの外周部分。
これ自体は全然音が鳴りませんでした。