三日目、モンサンミッシェル。
パリからの距離が約360キロ、TGVで行っても時間がそう変わらないという話だったので、この日はミキトラベル「みゅうツアー」に申し込んだ。
朝7時20分、ギャラリーラファイエット前に集合。
全員黒髪のストレート、日本人が集まる事に逆に違和感を覚える。
この日は新婚っぽいカップルばかり。
母を隣に
「僕も新婚なんです」
というボケはリアクションがとれなさそうなので封印。
一度の休憩を挟んで片道4時間の行程をベンツのバスで。
腰へのダメージがかなりのものなのと、出発と同時に雨が降り出したので不安に駆られた。
しかし、年配の添乗員さんが非常に良い声で、落ち着いたアナウンス、深いウンチクでとても良かった。
パリを離れると、すぐに穀倉地帯が広がるのが意外だった。
牛、馬、羊が次々に現れて、車窓から見ていて飽きない。
ただ、走りだしてからしとしとと雨が降りだした。
添乗員さんが言うには、「先日までは農業に被害が出るくらい雨がふらなかったのですが、ここ数日は雨が続きそうです。現地の天気に期待しましょう」だそうで。
途中サービスエリアによって朝食のパンを買う。
(現地で使うレシーバー、sennheizer製。添乗員がマイクで話すものを無線でキャッチ、便利だけどノイズがひどかった。)
3時間半程バスに揺られて、ようやくモン・サン・ミシェルが見える頃には、空も晴れてきた。
現地につながる道は狭く、バスやヨーロッパ各地から集まってくる車で大変な渋滞。
バスの中では皆一斉にカメラを取り出してパシャパシャ。
この旅行の1ヶ月前にフランスに行った友人が
「モン・サン・ミシェルが最高!」
を連呼していたが、確かに期待通りの風景に否が応も高揚する。
到着。くつろぐ日まもなく、観光客でごった返す入り口の階段を登っていく。
早速、モン・サン・ミシェル名物のオムレツを食べに行く。
MAZUI。
日本を発つ前から美味しくないとは聞いていたが、ぶっちゃけまずい。
食べ物が貴重な時代、場所で、巡礼者に少ない卵で沢山食べてもらうために考案されたという「ふわふわオムレツ」、飽食時代の僕にはスカスカでしかなく、塩を胡椒をかけてかき込んだ。
確かに添乗員も「非常に珍しい味です」としか言わなかった…。
このレストラン、観光地ずれしているのかあまり感じも良くない。
ひょっとしたらツアーなので入った店がオリジナルのラ・メール・プラールじゃなかったかもしれないが、どうでも良いくらい美味しくなかった。
一応、最後に出てきたリンゴタルトは美味しかった。
日差しが強くなってきた城内をどんどん登っていく。
ダンジョン探索のような気分になる。本当に中世に迷い込んだようだ。
突如目の前が開け、カモメが飛び交う屋上に出る。
最上部の教会前広場からは絶景。絶景。
当たりは一面干潟。
干潟で遊んでいる人もいる。
行きの大雨が嘘のように晴れてくれたことに感謝。
堪能した後、教会の中へ入る。
ヨーロッパの教会はきらびやかなものが多いが、僕個人としては、ここのような無骨とも取れる作りの建物がすごく好きだ。
木の家に住む自分たちとの違いをすごく感じる。
教会から階段を降りてだんだん下へ。
(中庭。大理石でできている部分も、長い年月で風化してきている。)
(左から、聖職者用の食堂、天使がオベール司教にモン・サン・ミシェル建設を急かす図、来客用食堂、煙突。)
順路通りに歩くと、外に出た。キノコマニアも苔マニアも満足!
「海のバスチーユ」と呼ばれ、監獄に使われた時期も。
逃げられる気がしない…。
かと思うと突然可愛い家も出てくる。
外人の子どもが「Kitty! Kitty!」と騒いでいる方向を見ると、子猫が。
また、街まで降りてきた。一番右、セントジェームス!入城時に店員さんに「アトデー」と言われた。
ちなみにフランスに行く前に「パリジェンヌはセントジェームスなんて着てないよ」と書いてあるサイトがあったが、可愛いお姉さんが普通に着てた。
集合まで時間があったので走って遠景を撮りに行く。
モン・サン・ミシェル4連発。
観光に来ている外人みんなが浮かれてたので、日本を代表してちょけて来た。
そして帰路へ。
遠くなっていくモン・サン・ミシェルをボケっと見ながら、また3時間半の道のりを帰っていった。
車窓から、モン・サン・ミシェルと牛。