凱旋門から今度はベルサイユ宮殿へ。
母は
「ベルサイユの薔薇!」「ベルサイユの薔薇!」
と連呼し、ベルサイユ宮殿であると何度修正しても覚えてくれない。
ベルサイユ宮殿はパリからRERという郊外高速鉄道で20分くらいということなので、まずは凱旋門のあるCHALRES DE GAULLE ETOILE駅からエッフェル塔あるCHAMP DE MARS TOUR EFFEL駅までメトロ(地下鉄)に乗る。
初めてのメトロ、早速片方の紙幣が使える券売機が壊れている。
もう片方はコイン専用。
しかもまずタッチパネルで言語を選択し、チケットか回数券かを選んで、その後専用のコントローラーで枚数を選び、またタッチパネルで領収書を発行するか選択し、お金を入れてようやく買える。
しかも機械なのに発券が遅い。
もっと簡素化出来るだろ・・・。
必死に手元の小銭をかき集めて何とか購入。
(パリ内を走るメトロはどこまででも1.7ユーロ。)
周りの人に聞けばまず確実に親切に対応してくれるので、最低限の英語が喋れれば何とかなる。
エッフェル塔まで言って乗り換え。
均一料金のメトロと違い、ベルサイユ宮殿まで行くRERがめちゃ難しい。
先ほどの面倒な券売機の手順に加えてさらに目的地まで選択しないといけない。
加えてまた紙幣が使える機械が壊れているため、インフォメーションセンターの若いお兄さんに両替してもらい、
「Go and Back?」
行き帰りの切符も買ってもらう。
RERに乗り、ベルサイユに向かう。
郊外高速鉄道とは名ばかりで全然早くないし、汚い。
窓にも引っ掻かれた落書きが沢山ある。
ちなみに、パリ全域で「どないしてそんなとこに落書きするねん」と驚くくらいとんでもないところに落書きがある。
高速道路の看板の裏や、電車の屋根、橋桁、畑の貯水塔など、色んなところに落書きされている。
二階席は空いていたが、若干うさんくさい客層で、向こうの席ではBlack Eyed Peasみたいな黒人がビールを片手にしばらくクダを巻いた後、口を開けて寝ていた。
ベルサイユ宮殿の駅に到着、同時に雨が降り出す。
10分ほど歩いて宮殿に到着し、入場の列に並ぶ。
ここでも中国人、全然列を守らない。前でのんびりベビーカーを畳んでいるフランス人も呑気だが、僕はすぐ割って入ってこようとする中国人を妨害するのに体力を使ってしまった。
小雨の中、ベルサイユを回る。
大味過ぎ。
入ってからずっとルイ14世の肖像やルイ14世の調度品やマリーアントワネットの調度品やまたルイ13世の肖像、ルイかマリーかルイかマリーかルイかマリーか!
同じような物ばかりで飽きる。
しかも室内が暗く、また混んでいる。
建物二階に上がっても豪華な、似たような調度品が沢山ならんでいるだけの部屋がずっと続くので、速攻で飽きて出口を探す。
アン・ハサウェイの口を小さくしたような僕好みの職員さんに出口を訪ねると、
「Emergency EXIT, left. No visit?」
と聞かれる。
「もう出る」
と伝えると、可愛く「もったいない~」みたいなリアクションをされた。
いやつまらんし。
さて、1階出口まで来たが、今度はガーデンへの入り口が分からない。
そばのディカプリオを細くしたようなハンサム職員に道を尋ね、たどたどしくも「メルシーボクゥ」とお礼を言うと、手を合わせられた。
わしゃ仏かインド人か。
雨も止んで広い庭園に繰り出す。
ベルサイユ前には、セグウェイが走っていて、35ユーロぐらいでベルサイユをセグウェイで回るツアーみたいなのがあるのを見て
「アホじゃないの?」
と思っていたが、ガーデン、クソ広すぎ。
アホは僕の方だった。
死ぬほど広い。
「ちょっとガーデンの向こうのカフェでお茶でもしようか!」
と繰り出したのだが、あんまりにだだっぴろいのでマッハで断念。
笑いながら宮殿を後にした。
(駅から宮殿まで遠い、宮殿入り口から建物まで遠い、建物からガーデンも遠いけどみんな歩いている。西洋人とは歩幅が違うのか?)
ベルサイユ宮殿駅からエッフェル塔駅まで戻る列車は混んでいた。
入り口付近で立っていようとすると、となりのアラブ系に声をかけられる。
どうやら「あっちの席が一つ空いているから、お母さん座ると良い」と言ってくれているようだ。
甘える。
(並木道が多くて気持ちいい。右はヨガのエッフェル塔のポーズ ※そんなのありません)
母がエッフェル塔でクレープを食べたいと言い出すので、RERを降りて近くのカフェへ。
Green Dayのヴォーカルみたいなウェイターに二つクレープを注文。
母、あんまりおいしくないと言ってほとんど残す。
コノヤロウ。
その後、セーヌ川のほとりを散策。
(初公開、母。船に花の鉢植えがあったり、川べりにも可愛い町並み。)
朝早くから歩き回って疲れたので、タクシーで帰ろうと思ったが、全然空きタクシーが走っていない。
しかもインフォメーションセンターで教えてもらったタクシー乗り場に全然タクシーがこない。
あきらめて2回乗り換えてホテルのあるオペラ駅まで戻る事にする。
パリのメトロ、基本的には路線が全部色分けされていて看板もあり、ホームまではいけるのだが、電車が古い。
しかも電車内の路線図の方向が進行方向と逆だったりするので大変。
近くのお姉さんに「オペラまで乗りたいんだけど、この列車であってる?」
と聞くと、分からないと言っていたのに乗車後、掲示板を指差して教えてくれた。
地下鉄はアナウンスなどもなく、音楽も流れていない。静かだな・・・と思ったのもつかの間、アコーディオンを持った黒人が乗ってきて走行中に列車の中でガンガンに曲を奏でだす。
いや上手いけど電車の中、真横でガンガンに弾かれても。
パリジャンはみんな無視していたが、とりあえず50セントほどチップを渡したら、別の車両に乗り換えてまた二台のアコーディオンをガンガンに弾きだした。
それを尻目に、下車。
(左、RERのベルサイユ行き切符と小銭。右、この時点で夜8時だけどまだ明るい)
午後7時、パリの中心、オペラ地区にあるホテルに帰ってくる。
ホテルのお姉さんの話す片言日本語に癒される。
一息ついて、百貨店「ギャラリー・ラファイエット」に行く。
免税してもらえるのと、日本人サービスカウンターがあるという事で、お土産をここで買う人がおおいそうだ。
僕はお土産を買わない、求めない主義なのだが、母がマカロンをお土産にと言うので、ピエール・エルメへ。
ハンサムな黒人店員に賞味期限を聞くと、「4日」という返事。
この後1週間滞在するので、賞味期限の長いチョコレートにする。
日本人カウンター、おそらくブランドものを買ったであろう年配の女性客が詰め寄り激烈混み。
日仏ハーフっぽい可愛い美人系お姉さんが汗をかきながらさばいていた。
晩ご飯は、フランス旅行ガイドに載っていた「ビストロ ル・メスチュレ」に行く。
店員のお姉さんがとても親切で思わず惚れてしまう。
お姉さんがベリーベリーナイスと進めるtodays specialを母用に頼む。
そちらはおいしかったらしいが、僕の方のフォアグラがかなりのボリュームで出てきてビビる。
日本ではフォアグラはペットボトルのフタぐらいの大きさが常識ですよね・・・。
胸焼けする。
(左がフォアグラ、右はデザートのチェリー入りプディング。美味しい。でもでかい。)
10時ごろ、ようやく暗くなってきた町並みを戻って帰る。
風呂に入って髪を乾かす間、テレビはなぜかマカレナとかスキャットマン・ジョンが流れる。
そういえば、パリは町中に全然音楽が流れていない。
オシャベリするのに邪魔だからだろうか?
など考えて、就寝。