5日目、フランクフルトのホテルで目覚める。
早めに寝たためか、調子が良い。
パリは駆け足で観光しすぎたので、フランクフルトではちょっと余裕を持つ事にする。
ホテルにて朝食。
ちょっと良いビジネスホテルといった体だが、パンも色んな種類があっておいしい。
僕はバイエルンクロワッサン、母はモーンゼンメルというケシのパン。
ドイツ人スタッフも厳めしい顔の割に物腰柔らかい。
ホテルとしては清潔でネットも繋がり、また泊まりたいくらい文句無しなのだが、その素敵なホテルのレストランから外を眺めていると、向かいのアパートの窓から胸毛の汚いおっさんがパンツ一丁でタバコを吸い、地上ではよく分からないジャーマンテクノが朝から鳴り響くカオス通りだった。
食後、部屋に戻るとインターネットが使えない。
無線LANの不具合かな?と有線でもチェックするも、やはり使えない。
フロントに出向き、「昨日使えたインターネットが使えないよ?」と聞くと、
「ちょっとトラブってるんだ。フロントのを使ってくれ」
と言われる。
こうやってフロントと話す分にはカタコト&ジェスチャーでいけるけど、日本語OS入ってないパソコン相手にジェスチャーは通じないもんなぁ・・・。と部屋に戻ると、もうネット回線は直っていた。
このアバウトさは仕事するには向かないなぁ・・・。
部屋の窓を開けると今度はラテンの音楽が流れていて、バーからケバいねえちゃんとゴツいおっさんが出て行く。
僕らもちょっと早いけど街へ出ることにする。
まずレーマー広場へ向かう道のりで、写真をパチリパチリ。
どうもこのフランクフルトという街は僕が震えるような観光スポットは無いらしく、マインタワー、ゲーテ通り、そして切妻屋根の旧市庁舎があるレーマー広場くらいのものらしい。
(欧州中央銀行や大きな商業メッセなどもあるが、観光にはあまり関係ないもんねぇ)
フランクフルト駅から各方面にカラフルなトラム(路面電車)が走っていて可愛い。
ただパリのメトロなんかと違って、表示を見ても切符の自動販売機の買い方が全く分からないので乗るのは断念。
欧州中央銀行本店があるユーロタワー。
ユーロ(€)は、20ユーロや20セントが2000円札みたいで使いづらい。
街中にあるたくさんの教会や古い建物を見ながら、レーマー広場へ。
旧市庁舎。
んー、まぁ・・・ってかんじで。
肝心の広場には何か大きな会場みたいなものを設営中らしく、座席がたくさんあるだけ。
旧市庁舎の中には皇帝の広間「カイザーザール」と呼ばれる広間があり、
「カイザー」
という言葉が非常に厨二心をくすぐるのだが、入り口には
「Iron Man Race 受付」
と書かれた大きなテーブルがあって入れない。
そして屈強でスポーティな恰好をした男たちがひっきりなしに出入りしている。
どうも次の日にトライアスロンがあって、そのスタート(ゴール?)会場がここレーマー広場らしい。
で、旧市庁舎が受付&グッズ売り場と化しており、観光どころじゃないっぽい。
タイミング悪い時に来てしまったなぁ・・・。
とりあえずあまり面白いところもないので、母のお土産買いに付き合う。
本屋さん、Hugendubel。
僕は外国に行ったときは、大体本屋さんをうろうろする。
字は読めないけどいろんなモノがあるから見ていて飽きない。
フランクフルトの本屋さんをいくつか回ったけど、どこも入り口にバースデーカードが陳列してあり、飛び出すカードや可愛いデザインのものが沢山あった。
その後、Galeria Kaufhofなどのデパートをうろうろ。
ドイツはデパートなどのトイレの入口に掃除のおばさんがスタンバイしており、入る時に50セント(約50円)ほどを支払って入る有料トイレが多い。
おばちゃんが居ないところにはお金を置く用のトレイがあったりする。
そういえば日本も新幹線品川駅や東京駅に有料トイレがあったなぁ。
東京駅はトークン式だから払わないと入れないけど、品川駅は入り口に募金箱みたいなのがあるだけだから、トイレを使う人を見ていても誰も支払っていなかったのを覚えている。
さて、買い物が終わったところで、昨日見つけたお祭り屋台みたいなところに行って、カリーブルストとソーセージを買う。
左がカリーブルスト、右はソーセージ。
カリーブルストというのは短く切ったソーセージにソースとカレー粉をかけた食べ物。
前に神戸元町を歩いていた時にカリーブルストのお店が出来ていて気にはなっていた。(入ったことはない)
ドイツのたこ焼き的B級グルメらしい。
『カリー』ブルストというくらいだからかかってるのがカレーだと思って食べたら、かかっているのは甘いカレー?ソースだったのがショック。
普通に美味しかったですけど。
ソーセージは焼きたてをパンに挟んで出してくれる。
美味しい。
母は昼からビールで贅沢気分を味わっていた。
ビールと一緒に水を買ったのですが、水を買う時に必ず聞かれるのが、
「With gas? No gas?」
これは炭酸入りか無しかってことなんですが、ここで「No Gas」と答えても、出てくる水がSelters(炭酸水メーカー)の、超超超微炭酸の水だったりする。
そうまでして炭酸いれなあかんか?ってくらいに薄いのが入ってる事に違和感を覚えるんだけどデザインがかっこいいので許す。
ビールと水を買う時に一緒にプラスチック製のコインみたいなものが渡された。
これは何かと聞くと、
「飲み物を買った店にグラスと一緒に返すと返金するよ」
と店員のあんちゃん(入れ墨のごつい)。
食事後に返すと、2ユーロくらい帰ってきた。なるほど。
で、ここまでで抱いたドイツ人の感想。
ドイツ人、男女問わず入れ墨をしている人が多い。
屋台のお兄ちゃんから街中を歩いている女性まで、結構な確率で刺青が入っている。
あと会話の最中に普通に舌うちする。
最初バカにされているのか?と思ったのだが、どうも僕に向けてじゃなく、例えば店員がレジの機械打ちをミスった時や、ギャルソンが自分の財布にお釣りが無かった時など、また考えてる時などにも普通に舌打ちする。
デパートで可愛いお姉さんに商品があるかどうか尋ねた時、笑顔で愛想がよく、受け答えもとても丁寧なのに、首を捻っていきなり
「チッ」
とやられたときはびっくりした。
パリよりゴツめの顔の人が多くてビビるが、こちらから声をかけたり、
「ダンケシェーン(ありがとう)」
と言うと、素敵な笑顔をみせてくれる人が多い。
接客時にムスッとしているように感じることが多いのは、日本と違って接客用のスマイルなどが無いからだろう。
また、高齢者以外は大体英語を喋る。
英語に近い言葉も多く、意味を解し安い。
昼間の挨拶は「ハロー」でいける(英語はHello,ドイツ語はHallo。ドイツのハローはガチでハローと口にしてイケル)ので気が楽。
大学でほんの少しドイツ語を学んだも合わせて、フランスよりは会話の難易度が低かった。
もうフランス語とか、恐ろしくて耳も向けられなボンソワー。
さて、話は戻るが、昨日一日フランクフルトを歩いても両替商がなかったので、一度戻ってホテルで両替する。
1ユーロのレートが、フランスの両替商では103円、日本の空港では105円、フランクフルトホテルでは114円。
さすがにレートが悪い。
必要最低限のお金を両替して、この日の本命、ケルン大聖堂に行く準備を始めることにする。
まず、駅でケルン行きのICE(ドイツ高速鉄道)切符を買う。
自販機での購入はハードルが高いので、あらかじめ行き先やカウンターで聞かれるであろう事をメモして持っていく。
基本英語が喋れる人が多いし、こちらが一生懸命伝えようとするとちゃんと聞いてくれるので、何とかなる。
ならなければ筆談で何とかなる。
この辺りからなんでも要求は紙に書いて、ひとまず会話を試みて通じなかったら紙を見せる方法をとることにする。
(発音に難があるので、指さしながら会話するようのメモ。ケルンに行くICE二等席を二人、次の直通で的な。)
(帰りのケルン駅のカウンターだが、日本の銀行みたいに券を引いて番号を呼ばれたらカウンターに行くスタイル。)
店員「(蛍光ペンで線を引きながら)じゃあ1時間半後のこの列車のこの車両ね!」
カウンターのお姉さんは、こちらが理解できるまで何度も丁寧に教えてくれた。
列車が来るまで結構時間が出来たので、母の友人の子供用のお土産を探す。
電車が好きという情報はあったのだが、なぜかフランクフルト、どこにも電車のおもちゃが売っていない。
デパートにも、普通のお店にも、駅にも空港にも、車や飛行機などのオモチャはたくさんあるのだが、なぜかDB(ドイツ鉄道)の電車のおもちゃや模型、僕が子供の頃に読んだような鉄道写真の本は全然見かけなかった。
構内の本屋を回って、見つけた絵本を買う。
大人が見て可愛いとは思うが、子供はどうだろうか・・・と不安だったが、どうやら好評だったらしいとあとで聞いた。
ふふふ、運転席などがめくれる作りだったのが効いたらしい。
時間が来たので、ICEに乗って「ケルン」へ。
写真左はICEのチケット。二人でも一枚。
左下のQRコードを車掌が読み取るので、フランスのTGVのように打刻機で打つ必要はないらしい。
写真右は、出発前に構内のコンビニで買ったフルーツ。
すごく甘くて(特にぶどう)また食べたい!と思うほどだった。
フランクフルトもパリと同じく、都心を抜けたらすぐに畑が広がっていた。
個人的にこの藁を丸く巻いたのがお気に入り。
1時間20分ほど走るとライン川が見えてきた。
ドイツ観光では沢山のお城を見ながら「川下り」をするのがセオリーのようだが、今回はあまり天気に恵まれなかったので諦めた。
駅に着いて出口に向かう時に、僕がいきなり爆笑しだすのを見て母親が不審がる。
というのも、(母親からは見えていなかったのだが)駅のホーム出口からもうとんでもなくバカデカイ大聖堂が既にケルンの空を覆っていたので、僕があんまりたまげて思わず笑ってしまったから。
いきなり駅前の空を覆う大聖堂。
笑うほどデカイ。
写真では伝わりづらいんだけど、どれだけでかいかというと、
合成写真にしないとファインダーに収まり切らないくらい。
(写真はちょっと左右を合成しています)
なのにディティールがとても凝ってて、
全面に彫刻が溢れてる。
残念ながらミサの時間なのか、中への扉が閉ざされていたため、東方三博士の聖遺物は見れずじまいだったが、モン・サン・ミッシェルに続いて二回目のハイライト!と思えるくらいスゴイ建物だった。
母が「思えば遠くに来たもんだ・・・。」と涙ぐむくらい凄かった。
どこの演歌歌手やねん。
とはいえ人手もすごく、訳の解らん大学サークルみたいなのが騒いでたり、全身を銀色に塗って動かないパフォーマーやストリートミュージシャンなどが沢山いて、お祭りみたいだったので、カバンには常に手をかけていた。
(変なパフォーマーのおっさんと握手。僕が毎日同じ服なのは、ケルンが7月末なのに日本の晩秋くらい寒くて可能な限りの厚着をしているから)
ただ一つ気になったのは、フランクフルトにもいた「パンクス乞食」。
日本だったらライブハウスに出入りしているような鋲ジャン皮パンを着ているパンクスが、汚いハイエナみたいな犬を鎖で繋いで地べたに座り込んで、道行く人に物乞いをしている。
パリで見かけた乞食は、
・ほぼ日本と同じようなダンボールマスターのおっさんが、閉店後のデパート入り口前に自分の城を築くスタイル
・イスラムかアラブ系のオバサンが、シャンゼリゼ通りで空き缶を手に地面に突っ伏す悲壯系物乞いスタイル
が多かった。
しかし、ドイツの乞食は若く皆ゲルマン系白人、見かけたほぼ全員がパンクルック、そして一人一匹汚い犬を飼っていて、集団で座り込んで雑談しながら道行く人に声をかけている。
それもあんまり悲壮感が無くコンビニにたむろしているヤンキーみたいな感じ。
かといってヘアスタイルはドレッドだったりするのでネオナチではないのかな?
(ネオナチはスキンヘッドが基本だろうし?僕みたいな日本人が見てたら絡んできそうだし?という勝手なイメージ)
大聖堂近くのメインストリートにはとても人が多く、アジア、アラブ系の若者が露天でオモチャを売っていた。
ミュージシャンも多く、アコーディオン、スチールパン、フォルクローレなど
有色人種系のほうがたくましく商売をやっているところを見ると、なんとなく未来の日本がWowWowWowWow見えた。
ここでも母のお土産探しで、メインストリートをウロウロ。
大聖堂のおみやげ屋はすごく可愛かったが、残念ながらキャンドルスタンドやブックカバーなど、かさばったり重かったりするものが多かったので断念。
(飛行機の重量制限に引っかかるため)
ひと通り回った後、昨日痛めた腰がまた疼きだしので、早めに帰ることにする。
帰りもDBのカウンターでICEのチケットを買う。
ケルンは観光地なのでかなり混雑していたので少し待たされたが、チケットはスムーズに買えた。
順番待ちの時に、隣で待っていた黒人の子供に「ハロー」と声をかけたが、ガン無視された。
でも挫けない。
指定席をとってのりこむと、自分の席におばさんが居る。
ん?僕の席はこの26号車のここのはず・・・?
相手が電話をしているので遠慮しながら
「この席は僕の席じゃないですか?」
ときくと、そこらを指差してなんだかんだ言っている。
全然どく気配がないので、車両を間違っているのかな?と外にでて車両表示をみてみると、
25、27はあるのに26号車だけ表示が消えていて、自分の乗っている号車が合っているのか分からない。
でも確かにこの席のはずなんだけど・・・?
ん?
そういえば出発前に調べたドイツ暮らしの人ののブログで、
「ドイツ人は人の指定席に座ってても、周りに空席があればどかない」
という話があった。
これはそのケースか!
事前に知ってなかったら駅員に聞くところだよ、金出して座席を買ったのに!
イラッとしながら、他の席に座る。
行きと同じ時間をかけて、フランクフルトへ戻る。
車窓から見える集合住宅、各棟に一本づつ煙突があってかわいい。
フランクフルトが近づいてくる。
フランクフルトにはライン川の支流「マイン川」が流れており、ここから見える市内の高層ビル群を
「マインハッタン」
と呼ぶらしい(笑)。
無事フランクフルトへ到着。
ひとまずホテルに帰って荷物を置き、晩ご飯を食べにでるといきなり雨。
かなりの豪雨だったので、タクシーに乗ってレーマー広場のレストラン、「シュタイネルネス・ハウス」に向かう。
ザ・ドイツという風体の店に入ると、スタッフが開口一番
「ジャパニーズ?」
と日本語メニューを持ってくる。
む、どうやら奥のテーブルも日本人団体観光客のようだ。
おいおい、大学の第二外国語でドイツ語を履修した俺様の流暢かつ華麗なドイツ語をなめるなよ?
僕「Ein orangensaft bitte!」
店員「One orange juice?」
僕「Yes.」
僕「Und ein wasser bitte!」
店員「One water? no gas?」
僕「・・・イエス。」
英語で復唱されたら倍恥ずかしいやろが!
(ちなみにドイツ語の単位は落としました)
で、日本語メニューにあるなんとかステーキを注文したら、コブシ二つ分くらいあるハンバーグが出てきた。
もうドイツの食べ物の単位は「1コブシ」とかでいいよ。
ここでようやく悟る。
カップルでドイツに行ったら、「メインディッシュ一つとスープ一つ」を二人でシェアするぐらいがちょうどいい。
大体の店でパンは付いてくる。
それ以上頼んだら、胃が破裂する。
美味しいけど、食事というより戦いだ。
満腹中枢が白旗を上げないうちに全力で食べ、動けなくなったのでまたタクシーでホテルに戻る。
夜はテレビでやってたアダムスファミリー2などを見ながら(ドイツ語なんであまりわからないけど)、寝る。
(フランクフルト駅構内。電車の他にも色んな乗り物が走ってた)
ドイツ到着。
TGVでの国境越えは、EU内なので車掌にチケットとパスポートを見せて終わり。
お世話になったTGVとさんさようなら。
ドイツが誇る高速鉄道、ICE(Intercity-Express)。
赤い電車はドイツ鉄道、DB。こんにちは。
フランクフルト駅構内。ドイツ3大銀行の一つ、Commerzbankの看板がたくさんある。
とりあえずチェックインするべく、ホテルへ。
表通りから少しはずれたら、なんだかガラの悪い若者がたむろしている。
こ、これがネオナチか・・・?
僕が一人旅だったら全員ちぎっては投げちぎっては投げしてやるんだけどなー!
母親と一緒だからなー!
一緒だからなー!
びびりながらホテルのあるタウヌス通りへ。
うわ、なんかすっげぇ柄が悪い。
どうやらフランクフルト駅真正面の通りから一本左に入ったここは、風俗街のようである。
本当に通り一本だけの違いなのに、中央のカイザー通りは明るくカフェが並ぶのに比べ、でも一歩出たら「セックス」「ポルノ」「カジノ」などいかがわしい店が沢山、非常にガラが悪い。
そして食べ物がドネルケバブ屋とピザ屋ばかり。
滞在中毎晩、ダサめのジャーマンテクノっぽい音楽が流れて、マスターキートンに出てくる白人売春婦みたいなのが街角に立ち、ごつい白人と胡散臭いアラブ系が闊歩しているなかなかのカオスっぷりだった。
今回の旅行ではパリと違ってホテルのランクを上げていない。
ホテル自体は、インターネットが無線LAN無料でとても奇麗、朝食も美味しい、店員さんも感じ良いのだが、立地がマイナスでスタンダードホテルの位置づけだったのか、と理解。
「やばい!これはとりあえずドイツのイイトコ見つけ隊!」
とホテルを飛び出して観光名所「ゲーテ広場」の方へ。(隊員2名)
しばらく歩いていると、最初は最初はいかがわしかった通りも、音楽家たちの像が立ち並ぶ森をすぎたあたりからいい感じの緑あふれる都会に変わってきた。
(ヨーロッパっぽい建物と近代的なビル、そしていきなり森の公園。パリはほとんどビルが無かったから新鮮。)
ほっと胸をなで下ろしながら歩いていると、すれ違った背の高いドイツ人おじいさんが、いきなり踵を返してこっちに寄ってくる。
なんだ?!と構えると開口一番
「日本人ですか?」
と日本語で聞かれた。
慌ててYesと答えると、
「私日本語勉強してまーす。コレ、日本の新聞、(単語を指さしながら)この言葉、日本ではよく使いますかー?」
と聞いてきた。
75歳くらいのおじいさんが持っていた日本の新聞、指さされていた箇所を見ると、書かれていたのは
「生殺与奪」
えー!ドイツ人通行人、レベル高いな!
とりあえず意味を聞いているのかと思ったら、
「意味はワカリーマス!日常では使いますカー?」
意味分かるのか!すげぇな!
慌てて「普段はあまり使わないですね」と日本語で答えると、僕の肩を叩きながら
「ありがとうございます。なでしこジャパン、おめでとうございます!」
日本びいきすぎる!
しかもとどめの一言が
「じゃがいもドイツはダメでした!ハハハ」
とジャーマンジョーク炸裂!
いやホント、出来過ぎた話ですが一切の誇張はありません。
このおじいさん、日本人にあった時用に温めてたんだろうか・・・。
この方との遭遇で、一瞬にしてドイツへの警戒が解けてしまった。
さて、その後タウヌスアンラーゲ公園の方へ向かうと、子供たちが森の中で遊んでいる。
よく見るとレゴのコーナーやアイスクリーム屋さん、小さなバンジージャンプみたいなもの、絵かきコーナーやフェイスペインティングしてもらってる子供たちなど、移動遊園地の様相。
ここがゲーテ通り手前の「旧オペラ座」というところらしい。
さっきのいかがわしいポルノシティと数百メートルしか離れていないのに、いきなりキッズ天国なのにビビる。
(建物は旧オペラ座。今でもパーティなどに使われるらしい。素敵!小さなメリーゴーランドみたいなのもあった。)
その後、ゲーテ通りや食い物横丁、デパートをウロウロ。母の土産物などを探す。
その先、ゲーテ広場やベルゼン通りには沢山の屋台が並び、DJブースではやっぱりジャーマンテクノみたいな音楽が鳴り、祭りっぽかった。
フランクフルトの屋台や、ポップコーン、パン、ビール、チーズなど、どれも美味しそうな屋台ばかり。
明日の昼はここで食べようと決意。
(ベルゼン通りの屋台市場。美味しそうな野菜やチーズ、沢山の種類のドイツパン、そしてソーセージ。)
更に進むとレーマー広場のあたりは古い教会がたくさんあり、近代ビルと組み合わさってなかなかのカオス。
ここまで回って、昼間電車で痛めた腰が尋常ならざる痛みを訴えてきたので、一度宿に帰ることにする。
腰がいたいのにパソコンと重い1眼レフを持ち歩いていたのでダメージが蓄積された模様。
とりあえずちょっと仮眠をとった後、カメラを置いて身軽になってまた散策。
夕方6時くらいにデパートをいくつか回る。
こちらは日が高いので、夕方と言っても昼の二時みたいな感覚。
フランスと同じく街や店ではほとんど音楽はなっていないが、ストリートミュージシャンは多い。
ギター弾き語りやレゲエユニット、一人スチールパンを演奏する黒人、アコーディオンを引くおじいさん、サックスソロ、フォルクローレ、色んなスタイルでみんな勝手に演奏している。
お洒落なお茶屋さんには南部鉄器や日本茶のコーナーあった。煎茶の道具も。
夜8時くらいになってようやく若干暗くなってきたので、晩ご飯を食べる事にする。
先ほどの食い物横丁(フレスガス)にある「ダス・ヴィルツハウス」という店に入る。
雑誌に書いてある名物料理、「シュヴァインハクセ」を注文。
ジョージ・クルーニーを若干髪薄くした感じのウェイターが案内してくれる。
ドイツ人、皆ゴツイけど、オシャレな優しさのフランス人と違って、丁寧な優しさを持っている感じ。
ただし、晩ご飯がパンチありすぎ。
肉デケー!
握りこぶしが2つ分くらいの豚すね肉がドーン!
美味い!外はカリカリで中はめちゃジューシー!
でもでかい!でかすぎる!
味わって食べる余裕がねぇ!
日本男児である以上、残す訳にはいかない!
満腹中枢が指令を出す前に食べきる!
肉を食べるのにこんなに体力がいるとは思いませんでした・・・。
こんなもん毎日食ってる奴らに勝てるわけがない・・・。
ちなみに母が注文したソーセージ(奥)は量も丁度良くて美味でした。
ただドイツ料理で定番の発酵キャベツ「ザウワークラウト」は苦手みたいです。
すっぱい。
晩ご飯の後、デパートでお土産を買い、タクシーで帰ってゆっくりする事に。
母がねたあと、僕はアメリカのドラマをドイツ語翻訳した2時間ドラマみたいな物を見る。
言葉は分からないが内容がシンプルなので楽しめた。
清潔なベッドで、就寝。