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タイ、香港旅行記 〜序章の2、法と習慣〜

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さて、祖父の遺言通り南の海に散骨を行う事にしたわけだが、勝手が分からない。

まず散骨って法的にどうなの?勝手に骨などばらまいて良いの?
日本は?そして外国は?

デジタル世代である僕は早速パソコンを使ってそれらを調べる。

どうやら日本では散骨は刑法上問題ない、というより法律の枠の外らしい。
どこのサイトを調べても、
「社会常識の範囲内で」
「他人に迷惑をかけない程度に」
などの言葉が並んでおり、法に乗っ取って死体埋葬許可が下りたものは散骨しても問題はないようだ。

では外国は?
勿論国によって違うのだろうが、今回埋葬に選んだのは、タイ。
貧乏な僕がカリブ海にまで行く金銭的余裕も時間的余裕も無い事と、自然が美しく温かく、国民が物事におおらかそうなイメージである事からタイにした。
タイでは遺骨を海に流す事を
「ローイ・アンカー」
と言い、割と普通の事らしい。

問題は無いというものの、出国する際に引っかかっても困る。
鞄に入れた骨が見つかって

検査官「これは何ですか?」

と聞かれた際にどう答えれば良いのか?

「祖父です」「骨です。」

どっちでもなんだか問題がありそうだ。
祖父(の骨)だけ出国出来なくなっても困る。
特に散骨する都合上骨を粉にするので、麻薬捜査犬がバカだったら余計に手間取りそうだ。

そんな事を考えていた時に、とある方から

「骨を持ち歩く時には埋葬許可書のコピーを持っていると良いですよ。」

と教わった。
なるほど!と早速祖母に電話をし、コピーをとりに行く事を伝えると、翌朝、親戚が丁寧にも埋葬許可書とそれを入れていた封筒までコピーして封筒作りの内職(笑)をしてくれていた。

祖母は祖父の元気な写真と、現金の入った封筒をくれた。
封筒には
「オプション代金」
と書かれてあり、

「おじいちゃんを連れてってくれるオプションツアーやからね!」

と笑っていた。
このとき僕は改めて、素晴らしい夫婦だ・・・と実感した。

この後、父に祖父を粉末にしてもらい、洋裁の教師だった祖母が作った
「祖父のネクタイで作った巾着」
の中に遺骨と写真、埋葬許可書を入れて祖父埋葬セットが完成した。