さて、ようやく準備が整ったので、屋根裏に部屋を作るための材料を買出しに行きます。
工場の壁はスレートというア・ラ・ポテトみたいなギザギザの壁が一枚あるだけ、しかも穴だらけ。
ここに新しく丈夫な壁を作って断熱(屋根裏は夏場45度を越えるから)そしてあわよくば防音したいな。と。
天井の高さを3mというアホみたいな高さに設定したため、壁材の柱は3650mmというアホみたいな長さに。
コレを最終的に150本くらい買い込むんですけど…。
壁は石膏ボード。1800×900mmのボードがもう死ぬほど重い。そしてでかくて持ちにくい。
これを2階まで運ぶのはマジで死ねる。夏場にこれを20枚30枚と運び上げるのは生き地獄だった。
そして断熱材、グラスウール。凄く細いガラス繊維の塊なので、それが皮膚についたら痒くてたまりません。
これを米俵に見立てて肩に担ぎ、
「今年は不作じゃぁ…これだけの量で殿様は満足してくれるじゃろうか…」
一人年貢納めごっこしながら、つくづく大工さんって大変な仕事だと思った。
購入先のホームセンターでトラックを借りる。
一度自分一人で買出しに出てトラックに荷物を載せて出発したら、外に出た途端タイヤがパンク。
ホームセンターの周りを一周して「すいません~パンクしてるんですけど~」と戻る羽目になった。
何ドライブやねん。
それから自分ではトラック運転しないことに決めた。
さて、だいぶすっきりしたスタジオ予定地ですが、何故かジャガイモが。(趣味で農業やってます)
これから長い間、邪魔な腐ったジャガイモ、芽の出たジャガイモに悩まされることになる。
腹が立ったからスレート(工場の壁)にジャガイモこすり付けてやった。
先ほどのグラスウール、袋を開けたら空気を吸ってがんがん膨らむ。
コレを手で触るととんでもなく痒くなるのだ。
まずは床に木を寝かせて土台にし、その上に木の柱を立てる。
こんな感じで壁一面に柱を立てていく。
試しにグラスウールを貼ってみる。なかなかいい塩梅だ。
柱を見れば分かると思うが、グラスウールは縦に二個分必要。
つまり後半は高所での地獄作業になるわけだ。
柱をがんがん立てていく。木は反っているし、建物は古いからいがんでいる。
これでどうやって正確に垂直に立てるかと言うと…
これ。このマシン。
BLACK&DECKERの垂直水平レーザー墨出し器。
これの真ん中がザクのモノアイ(目ん玉ね)みたいになっていて、
レーザービーム照射!
これがいつ何時病める時も健やかなる時も貴女のそばで垂直を出し続けるので、間違いなく柱を立てていけます。
ほかには電気ドリル。
やっぱりメジャーメーカーのはパワーが違う。
そして狭いところ、電気が届かないところにはバッテリー式のドリル、そしてインパクトドライバー。
インパクトドライバーってのは先っぽがハンマーになっていて、ドライバーの先を叩き込むのでこれまた便利。
グラスウールを壁の高さにあわせて切断。切断面からガラス繊維が飛散して悲惨。
手袋はゴム手袋でないと突き抜けちゃうからお掃除ママみたいなルックスになります。
エアーコンプレッサーから出る圧縮空気を使ってネジをぶち込む自動連続ネジ打ち込み機。
電気とは格段差のパワーで、頭に向かって打ち込むと人が死にます。
嫌いなアイツに一撃!
(死なない人もいます)
高所での作業(地上3m)は僕の仕事。
高い汚い臭い怖いの4重苦!
ガッツがある日は夜を徹して作業します。
一度上(天井予定地)にあがると泥だらけ。
これは全部工場備え付けのクレーンのレールに付いた錆。
柱の上にがんがん石膏ボードを打ち込んで行きます。
夜はなんだか幻想的な気分にすらなります。
多分シンナーとか空中を飛び交っているホコリとか変な薬品の効果です。
てきめん!
だんだん壁が出来上がってまいりました。
自宅(自営業なので自社)音楽スタジオ作りました。
というわけで、やっちん自主制作スタジオ、その名も・・・
まだ決まってません。
つか自慢げに名前付けるの恥ずかしいから仮に
「神戸は日が沈む西の果て伊川明石川の混じるところ、川の清きもにごりも飲み干して今ではこんなに大きくなりました、思い立った日はいつのことやら快晴風 雨豪雪地震あらゆるものがいまや自分の大事な糧、こんな未熟な僕ですが支えてくれる仲間とともにいつか見てやる一番星スタジオ」
としておきます。
そのスタジオを作ろうと思い立ったのは2006年の6月頃。
「好きなだけドラムが叩ける場所が欲しいなぁ~…」
と一人ごちていたところ、
「作れ。」
と親父が一言。
ドラマーにとって何が一番問題になるってやっぱり練習スペース。
ギタリストはギターを、ベーシストはベースを、キーボーディストはキーボードをおのおの部屋に持ち込んで練習することができます。
が、ドラマーはそうはいかない。
ドラムというのは一つの楽器ではなく、「ドラムセット」という打楽器の集合体。
とある両乳首にピアスを開けた某外人ドラマーが
「僕はドラマーではなくドラムセットプレイヤーだ」
といい、
「アメリカではスネアが課題となったらスネアを持って部屋にこもり、その練習ばかりしていた」(うろ覚え)
のようなことを言っていた。
日本の住宅事情でドラムなんて家で鳴らそうものなら、間違いなく追い出される。
ピアノですら殺人事件に発展しているのに、僕はまだお星様になりたくない。
ちなみに、普通ドラマーがドラムセットで練習するときは、リハーサルスタジオを個人でレンタルする。
これが馬鹿にならない値段で、神戸では1時間500円~、東京では700円を越えるところもざら。
つまり週3回2時間づつ練習しようと思ったら、それだけで3000円。スティックが折れたりすることで月に1万円以上はかかる。
あれ?意外と安い?
んなことない、人にレッスンを受けるにはもっとかかるし、機材をそろえたりライブ活動をしたり、とにかくお金がかかる音楽活動では、この出費は親指の爪の間に竹串を刺されるような痛さだ。
ちなみに僕は左利きなので、個人練習のときはまずドラムセットを左利きに変えることから始める。
楽器を鏡張りに全部ひっくり返すのに、時間はかかるわ楽器は壊すわ怪我をするわ、とにかく手間がかかる。
結果、ひとより長時間スタジオを借りないといけない。
これがスタジオを作ろうと思った一番の理由だ。
だからよっぽど変わり者で無い限り、ドラムを左利きで叩くのはお勧めしない。
(本番前リハーサルで楽器移動時に怪我するのもしょっちゅう。動かすから機材トラブルも2倍。)
話がだいぶそれました。
さて、「作れ」と言われてもどうしたものか。
まず必要なのはドラムを叩くためのスペース、そして防音設備。
親父様に真意を伺ってみたところ、
「会社の二階の倉庫を使え。」
とのこと。
実は僕の家は自営業で、工場の二階が倉庫になっている。
まずそこに足を踏み入れることはないのだが、確かにそこならかなりの広さがある。
何より回りを気にせずドラムを叩けるという魅力に取り付かれた僕は早速倉庫を見てみる。
無理。
10年以上放置された機械類、今ではかなりビンテージ。ありえない重さ大きさの鉄の塊にダンボールが所狭しとおいてあり、そこに乱舞するホコリの量たるやもはや
「劣悪な環境条件下で働かされる某国児童を救え!」
キャンペーンに出てくる悲惨な労働環境そのもの!
しかも季節は梅雨!
この時期にはもう40度を越えるいわゆる「屋根裏」での清掃作業は地獄絵図。
基本スタイルが防塵マスクに手袋、シャツやカーゴパンツ(ユニクロでそろえた)が毎日ドロドロ、汗だくでメガネは曇りずりおちるけどホコリの量が多すぎてコンタクト出来ない、グラスファイバーが身体についたらそれこそ痒くて寝られない。
みんながウキウキ彼女と彼氏とセフレと友達という名の都合よい存在と合コンで海で飲み会でデートでカラオケで花火大会で盛り上がっていたこの年の夏、僕は屋根裏倉庫で一人、泥まみれになって過ごしたチクショー!。
(恨み節)
そして7月、
8月、
9月。
この夏の友達は
・あらゆるごみホコリを吸ってくれる 集塵フィルター付き掃除機
・重量物を持つときには必需品 ゴム付き手袋
・機械をバラす時間が大幅削減 電動ドライバー
・2トンまで持ち上げられるクレーン
・耳掃除からお風呂で洗いっこまでしてくれる脳内彼女
など、沢山友達が出来ました。
夏を女の子と楽しく過ごしてきたお前ら(誰だよ)なんかに絶対負けねぇ!(思い出し怒り)
そして9月某日、半端なくでかかったり重かったり鉄の塊だったりする機械たちを鉄くず屋に売り払う。
まずばらせるものは(技術的にそして法的に)全部バラす!(まだ腕細い)
どっから集めてきたものか分からないが、とにかく山ほどある鉄クズを(時には機械を)外に出す。
犬が出てきて手伝うと言って聞かないため、犬小屋に閉じ込める。
あまりにもすさまじい量だったため、近所の農家の人にフォークリフトでトラックに積み込んでもらう。
ありがとうございました。
ちなみに総重量は2トン弱。曙が215kgだから、え~っと曙10人分の機械が運ばれていった。
なんかその倉庫にあった、昔の漫画の悪の司令室にありそうな穴あき紙が出てくる機械。
8インチのフロッピーディスクなんて今の若い子は知らないと思うけど、昔のPC。
そうして9月の終わりごろ、いよいよスタジオを作る準備が整った。
ロックにボンゴは合わない。
え~アコースティックライブを行うバンドを見たことがあるでしょうか?
バンド形式でアコースティックライブをやる時に一番困るのはドラマー。
ドラムはもともと生楽器なので、音が大きい。
野外でライブをやるときに一番問題なのもドラムの音。
だからアコースティックライブ「も」やるバンドはドラムがお休みか、ドラムが他の楽器を持つことが多いです。
ポップやロックをアコースティックでやる場合に重宝される楽器がカホン。
皆さんも街中で演奏するバンドで、なんか箱を叩いている人を見かけたことがあると思います。あれがカホンです。
で、僕はというと、何故かライブで手にしているのがボンゴ。
「理由は?」
と言われたらもうぼやけてしまいましたが、確か
「ラテンな僕には陽気なビートがピッタリ!皆でサンバしようぜ!」
「色んな交通手段であちこち行くのにカホンはでかい。重い」
そんなところだったと思います。
つか買う金ねぇ。
以前のコーナーで作ったカホンも試作段階なので、本気で作らないといけない。
つうわけで、今はボンゴとタンバリンとシェイカーを使っています。
ボンゴ。
で、ボンゴの何が問題かというと、ボンゴで作れるフレーズがドラムの役割とかけ離れている事と、音が陽気すぎて、曲が愉快なものになりがちであるということ。
すっげぇ泣きのバラードに、ボンゴのラテンっぽい「カーン!」という高音が抜けてしまうと、
「ぷっ!」
って噴き出しそうになってしまう。
これは問題である。
いくら普段の僕が愉快で男前だからといってこれは困る。
だから改造してみた。
今日の材料は、紀伊半島沖で獲れた鮮度のいいスナッピー(太鼓の裏に張る部品)です。
このザラっとした金属音で、ボンゴの高音を汚して、ドラムっぽい音に変えてしまおうと言うわけです。
そしてこれはホームセンターで400円くらいで購入した自転車の鍵かなんか。
これをどう使うんでしょうね?
まずは部品をばらします。
ベッドインした女性の衣服のように慎重に扱います。
後でどっかいった!って困らないように。
そして金属の薄い板を切り取ります。
これをジョイントにして、先ほどのスナッピーと自転車の部品を繋げるのです。
なんか機械で挟む。
火花でバチ!と溶接します。
スナッピーはそのままではサイズが長く、生食に適しませんので、ぶった切ります。
ぶった切ったスナッピーをこれまた自転車の部品と溶接します。
自転車の部品と、金属の板と、スナッピーを繋ぎ合わせた状態。
上にあるのが切り取ったスナッピーのあまり部分です。
これをネジなどを使ってボンゴに取り付けます。
途中間違った場所に穴を開けてしまって、開いてしまった穴に割り箸を突っ込んで穴埋めしたのは秘密。
さて、無事に取り付けが完了したら(写真は取り付け前ですが)早速音を鳴らしてみましょう。
先ほどの自転車の部品で、スナッピーは着脱式になっております。
すなわち、ボタンを押したらスナッピーはボンゴにくっついて
「ジャッ!」
という音が加わります。そして押し付けられる分若干ミュート(消音)されます。
ボンゴの高音の問題点
「ボリュームがでかい」
「音が綺麗に抜けすぎる」
を一気に解決できるはず!
音番号1 ノーマル状態のボンゴ。
(スナッピー無し。ポップス用にチューニングをかなり低めにしております)
音番号2 スナッピーを付けた状態のボンゴ。
(高音に汚しが入ってボリュームが下がりました。)
音番号3 改造ボンゴで8ビートっぽく叩く。
どんな感じでしょうか?
高音部分が、叩く部分と強さによってスナッピーの効き具合が変わって面白いものになりました。
今まで全力で叩くと高音が抜けすぎて苦情殺到だったのですが、これならいけるんじゃないかと。
そして調子に乗って叩きまくってて今右手中指が非常に痛いです。
というわけで高音はかなりいい感じになったので、次は低音部分にウーファーでも取り付けてみようと思います。
(もはや生楽器じゃなくなるだろ)
シンバル…その鈍い金色の光を放つ満ちた月の如き真円は、我が手の荒くれたる木片により打ち鳴らされ、数多の生き物の耳を奪うであろう…。
つうわけで、シンバルです。
相変わらずこのコーナーではボケなしです。
ドラマーだったら、ライブハウスで、スタジオで、座ったドラムセットのシンバルが割れてる!なんて事態に出会ったことが必ずあるはず!
そして割れてしまったシンバルの力ない音に腰砕けにされ、僕は思うのです。
「せめて元通りにはならないまでも、練習に支障が無い程度に修理できないのか?」
でも相手は金属ですからね。
われわれが用意できる治療アイテムはセロハンテープか絆創膏ぐらいのもの。
それでは今回も、彼に出てきてもらいましょう。
親父~!(実父です)
親父「溶接、してみよか~」
まず素材を用意します。
普段懇意にしてもらっている某ライブハウスから、割れたシンバルをかっぱらってきます。
ライブハウスのドラムってのはとにかく消耗品。
色んなジャンルの、そして初級者から上級者までの様々なドラマーが毎日とっかえひっかえドラムを叩き、シンバルを鳴らすわけですから。
この…淫売め!(シンバルを睨め付けながら)
そして自分を売ることに疲れた女シンバルをやさしく介抱しながら、割れた箇所をチェックします。
今回用意したシンバルは三枚。
シンバルの端から縦に割れ目が入ったものが二枚と、横に入ったものが一枚。
親父「一枚溶接しようと思ったら溶けてもたわ!」
シンバルを親父の会社に置いておいたら、僕のいない間に勝手に一枚溶接して、強すぎる火力で溶かしてしまったそうです。
これがその溶けたシンバル。
あらあら、こんなに恥ずかしい穴が開いてしまって…
まずはこの恥ずかしい子の恥ずかしい穴を削って、社会復帰させましょう。
傷ついたシンバルをいきなり激しい突起と振動で苛め抜く親父。
「やめてぇ~~~!」
とも取れる絶叫にも似た轟音が工場中に響き渡る。
そして電気により高速に蠕動する荒々しい機械が敏感な部分に直接あてがわれると、もう観念したのか、シンバルは親父の手の中でぐったりと動かなくなった。
あほちゃうか?(冷静な目であくびをしながら犬が。)
まぁそんな感じで、穴が開いた部分を丸ごと削って口径を小さくするという作戦です。
ふちをなんとなく整えます。
外周部分が取れました。
今日用意したシンバルは全部18インチなので、このシンバルは約17インチってところでしょうか。
青く見えるのは沢山のドラマーたちがその卑猥な手で触った跡、つまりサビです。
(もういい)
次は溶接です。
本来ならば「この粘液質の白濁した某を傷口に教えて、溢れる」などといったナレーションが入るのですが、そろそろ飽きてきたので普通に。
割れ目には「銀ロウ」というのを溶かし込んでみるそうです。
(親父はシンバル職人ではありません。あしからず)
銀ロウ。
そしてゆがんでしまっている割れ目をペンチで曲げる。
酸素バーナーで銀ロウを溶かす。
高温すぎてシンバル自体が溶けないように注意しつつ、割れ目に流し込む。
溶接完了。
歪みが出てしまうのはしょうがないが、試しにハンマーで叩いてみる。
市販の高級なシンバルは、職人によるハンマー打ちで音色を調整されるのだ。
叩く。
割れた。(写真では見えませんが)
悲しいことに、高温にさらされたシンバルは焼きなまってしまって、非常にもろくなってしまっていた。
僕「まぁ練習用シンバルやからええやん。」
彼は納得しないようで、その割れ目をさらに修復。
緑色の炎が綺麗。デートコースにいかがでしょうか?
(送迎あり)
完了。
(上のシンバルよく見るとたわんでますね。)
それでは出来上がった三枚のシンバルの音を聞き比べてみましょう。
外周を削った約17インチのシンバルの音。
サスティン(残響音)は割れてた時に比べてしっかり残るんですけど、嫌な音の揺らぎがあります。
今回加工したシンバルは全部ジルジャンの18インチロッククラッシュのみです。
割れてないものを持っていないので、本来のロッククラッシュがどんな音かってのを提示できないのが悔しいですが。
焼きなましがはいったシンバル。
やはりサスティンが気になるのであくまでも練習用といったところでしょうか。
ちなみに割れてない同口径の18インチAカスタムシンバルの音。
かなり薄めのシンバルなので比較対照にはなりにくいですが、まぁ鳴らしてもワウがかかったような音の嫌な揺らぎはないです。
この結果に納得しない親父は、約17インチになったシンバルの外周を削り始めました。磨きをかけてフチを薄く!
で、完成。
確かセイビアンのシンバルに似たような模様のシンバルがありましたが…。
17インチに磨きをかけた偽ブリリアント加工のシンバル。
実際耳で聞いたらキャラクターが明るくなって、親父と
「やっぱ磨きをかけたら明るくなるね!」
と喜んでいたのだが、マイクのせいか、実際の音は磨きをかける前とほとんど変わらず。でも結果はこれが一番良い気分で叩けます。
結論:割れたシンバルは修理したら練習ぐらいには十分使える。
次は親父をそそのかして、自分が欲しかったスプラッシュシンバル(口径の小さい可愛いシンバルです。音が知りたきゃスピッツでも聞け)を作ろうと思ってます。
それでは、また。
・
・
・
おまけ。
打楽器は女性と同じ。
力任せにぶっ叩くとこんな詰まった音になります。
(録音はピークを超えていません)
狙ってやるなら良いんだけどね。
ライブ中感情的になると、僕もやっちゃいます。
難しいね…。
切り取ったシンバルの外周部分。
これ自体は全然音が鳴りませんでした。
やっちん家には、古くからナイロンギターが置いてあった。
僕はナイロンギターの形をしたゴミだと思っていたが、それは長い間家の隅っこに立てかけられていた。
父「これは象嵌がしっかり作られているからいいものだ。」
もともと粗大ゴミ捨て場から何を思ったか親父が拾ってきたもの。
何度粗大ゴミに返す候補に挙げられても、親父はその度にかたくなに拒否した。
そして何故か常に僕の部屋の片隅に置かれていて、捨てようにも居候の身である僕はなかなか踏ん切れない。
時は流れて2006年のある日、このゴミを再生することを決意する。
(今回もやっちんとそのパパでお送りいたします。)
まずは降り積もったホコリを丁寧に除去する。
最初の画像を撮影し忘れたので、いまいちどれくらい綺麗になったのか伝えることが出来ないが、ひとまずニスは光るようになった。
この時点でこれはギターだったということがわかった。
次に錆びて動かなくなったペグ(弦をチューニングする部分)を取り外し、
分解。
各パーツの痛み具合を見る。
まずは大きな錆をヤスリでこそぎ落とす。
弦を巻くギアの部分も錆(サビ)まくって全然回らない。
これを洗浄した後、錆取りクリームを塗りしばらく放置。
その後もう一度洗浄すると
ワンダフル!錆は見事に落ちて、銀の輝きを取り戻しました。
この調子で錆をどんどん落として行きます。
竹ひごの先に少しだけ錆取りクリームを塗布、面倒くさい作業です。
ようやくほとんどのパーツの錆取りが終わろうとした瞬間!
馬鹿息子が誤ってギアのひとつを下水に流してしまいます。
え~部品無いのにどうするの!?
ひとまず現実逃避気を取り直してボディーの傷を修理にかかります。
ギターの中身に貼ってあるシールから、昭和60年くらいに一度どこかに修理に出されていることが判明しましたが、この修理具合がひどかったのか、ねじ穴の場所は歪み、あちこちにひびが入っています。
これじゃああんまりだ。
パパー!なんとかして!
ギターに入っているヒビにエポキシを塗りこんでいきます。
親父いわく「応急処置だ」そうで。
本当はニスも塗りなおしたりしたいそうなのだが、そんなの任せると完成がいつになるのか分からないから今回は却下。
そのうちほかの傷も直すつもりなのだろうか?
そしてヒビも消え、ヘッドも輝きを取り戻しました。
そしてペグをはめ込んでみる。
部品が足りなかったはず?いや知らない。
無くしたギアを買いに行ったらペグが全部6個入りで900円の安さで、修理するより買いなおしたほうが早かったなんて事実は無い。歴史には残っていない。
そして弦を張るブリッジ部分も削れてへたってしまっているので、綺麗に削りなおします。この部分は象牙だったために、平行に削るのが難しいとかで、
いつもの工程へ。
説明は面倒くさいからしません。
なんしか機械でバーッってやるの。
(小学生並みの表現力に脱毛)
弦を買ってきました。
ヘッドって書いてある部品は決して総とっかえしたペグではありません。
見なかったことにしてください。
そして削りなおしたブリッジを取り付けます。
・
・
・
出来ましたぁ!
(面倒くさい説明をすべて吹き飛ばす満面の笑顔で)
ちなみにギターの素性は…今はもう無いメーカー、信濃楽器のもの。
検索かけてみたら、同ブランドのギターが13,000円で中古販売されていたので、あまり価値は無いと思われます。
しかし!大事なのはその思い入れ!
昔偉い人は言いました。
「モノより、思い出」(色々間違ってる)
現にここにギターがあり、音が鳴る!それが何よりの宝です。
で、試しに弾いてみました。
三回ほど弾いたところで指が痛くなってギブアップ。
本当はギターの弾ける弟に任せたかったのですが、まぁ音が出るよ!って言いたかっただけなので演奏の不味さは勘弁してください。
とまぁ、そんなわけで、ゴミも再生すれば案外使えるということがわかりました。
次はゴミ再生楽器を集めて作曲だな。
とりあえず今夜はこのギターを抱いて寝ることにします。
再生できそうなゴミ楽器募集!
終わり。