とまぁそういうわけで、
高所での作業もなれはじめたころが一番危ないですが、このころになると身体に変な湿疹が出来ても気にならなくなってきました。
この画像も左に回転させると
キン肉ドライバーの特訓中みたいですね。
さて、壁も天井近くまで貼りました。
部屋を作るときの困りごとの一つとして、
「建物内に備え付けられたクレーンが邪魔になる」
ということがありまして。
というのも、この建物内には天井近くにレール(電車みたいな)が架かっていて、そこを電動のクレーンが走っているのです。
このレールのせいで、
石膏ボードを複雑に加工し、
そのレールの出っ張り具合にあわせて貼っていかなくてはなりません。
これが非常に面倒くさい。
そして部屋にコンセントをつけるための電気を引かねばなりません。
ちなみに電源の工事を行うには電気工事士の資格が必要です。
素人が勝手にやってはいけません。
上からケーブルを下ろし、
コンセント予定地に通します。この後コンセントの部品をつけます。
これでコンセントにシャーペンの芯を突っ込んで感電ごっこ出来ますね!
(やっちゃ駄目!絶対!)
さて今まで採光していた窓ともお別れです。
外から見えないように窓を黒く塗りつぶし、その上に壁を作っていきます。
資材も全然足りないので買い足しまくります。
工場には200Vの動力が通っていて、触れたら即死だそうです。
洋物ギターアンプに直でつなぎたいですね。
親父の説明は
「握ったら手の筋が勝手にケーブル握りこんで離せなくなって即死するぞ。」
「あんときは死ぬかと思ったわ。」
なんか矛盾してます。(触ったんかい)
なので、そのむき出しの200Vを絶縁すべく、ゴムチューブを切り、
カバーしていきます。
これでドリフの爆発コントみたいな死に方しないですんだね!
屋根裏にもグラスウールを敷きつめ、石膏ボードで挟み込みます。
連日40℃を越す天井で行われる作業は、ビリーズブートキャンプなんて比じゃない(と思う)。
暗い汚い高い狭い危ない、こんなところに幽閉だけはされたくないですね。
天井と壁がじりじりと出来上がってきました。
今度は入り口となる壁を作ります。基本的には一緒だけど、今までと違って何も無いところに壁を作るのに往生します。
なんとか四方の壁が作られてきました。
というわけで壁がひと段落してきたら、今度は天井を作らないといけません。
高さ3mの支柱に鉄の梁を渡していって、落ちてこない丈夫な天井を。
まず鉄工団地と呼ばれる近所の工業地帯に出向き、6mのCチャンと呼ばれるコの字型の鉄骨を20本弱買って、死ぬ思いで2階に上げます。
(もちろん後日トラックにて配送を頼みました。)
鉄骨を切っていきます。
(写真で切っているのは梁を強化するための小さい鉄骨です。)
梁を筋交いで補強します。
縦に柱を立てて
ダンボールが丈夫な理屈ですね。こんな感じで筋交いを作って丈夫な梁に変身します。
アーク溶接後に出るスラグというゴミ?をケレンというハンマーみたいなもので取っていきます。
鉄骨 on 鉄骨するためのパーツを作ります。
鉄骨がさびないよう、アルミ入り銀色ペンキで表から裏から前から後ろから辱め、塗装します。
縦に走らせる柱は丈夫さが必要なので、抱き合わせて強度を高めます。
そして溶接→塗装のコンボで相手をマットに沈めます。
鉄骨を組み合わせるためのパーツも付けます。
このアホみたいに重い鉄骨を3mまで持ち上げるには滑車を組み合わせます。
そして戦いは空へ移ります。
部屋(予定地)は横幅8mあるので、6mと2mの鉄骨をボルトでとめて溶接→塗装します。
上が梁、そして縦横に鉄骨を走らせます。
高所作業がマジで怖い。空から火花が降ってくる。
みんなは室内で溶接なんてしちゃ駄目だよ!
さて、もともとある天井というか屋根ですが、建物がかなり古くなっているので穴が開いています。
これは雨漏り怖い。天井を作る前に片付けておかないといけません。
ここで出てくるのがガラスクロスとポリエステル樹脂。
穴にガラスクロスを当ててポリエステル樹脂(鼻水みたいな液体)を塗りたくるとあ~ら不思議。
できたものがFRP(船などの材料に使われる硬い繊維強化プラスチック)!
はい、よっぱらったおっさんがどっかの家の壁に立ちしょんべんしたみたいになりましたね。
乾いたらカチコチで水も通しません。
だんだん物々しい雰囲気になってきました。
さて、ようやく準備が整ったので、屋根裏に部屋を作るための材料を買出しに行きます。
工場の壁はスレートというア・ラ・ポテトみたいなギザギザの壁が一枚あるだけ、しかも穴だらけ。
ここに新しく丈夫な壁を作って断熱(屋根裏は夏場45度を越えるから)そしてあわよくば防音したいな。と。
天井の高さを3mというアホみたいな高さに設定したため、壁材の柱は3650mmというアホみたいな長さに。
コレを最終的に150本くらい買い込むんですけど…。
壁は石膏ボード。1800×900mmのボードがもう死ぬほど重い。そしてでかくて持ちにくい。
これを2階まで運ぶのはマジで死ねる。夏場にこれを20枚30枚と運び上げるのは生き地獄だった。
そして断熱材、グラスウール。凄く細いガラス繊維の塊なので、それが皮膚についたら痒くてたまりません。
これを米俵に見立てて肩に担ぎ、
「今年は不作じゃぁ…これだけの量で殿様は満足してくれるじゃろうか…」
一人年貢納めごっこしながら、つくづく大工さんって大変な仕事だと思った。
購入先のホームセンターでトラックを借りる。
一度自分一人で買出しに出てトラックに荷物を載せて出発したら、外に出た途端タイヤがパンク。
ホームセンターの周りを一周して「すいません~パンクしてるんですけど~」と戻る羽目になった。
何ドライブやねん。
それから自分ではトラック運転しないことに決めた。
さて、だいぶすっきりしたスタジオ予定地ですが、何故かジャガイモが。(趣味で農業やってます)
これから長い間、邪魔な腐ったジャガイモ、芽の出たジャガイモに悩まされることになる。
腹が立ったからスレート(工場の壁)にジャガイモこすり付けてやった。
先ほどのグラスウール、袋を開けたら空気を吸ってがんがん膨らむ。
コレを手で触るととんでもなく痒くなるのだ。
まずは床に木を寝かせて土台にし、その上に木の柱を立てる。
こんな感じで壁一面に柱を立てていく。
試しにグラスウールを貼ってみる。なかなかいい塩梅だ。
柱を見れば分かると思うが、グラスウールは縦に二個分必要。
つまり後半は高所での地獄作業になるわけだ。
柱をがんがん立てていく。木は反っているし、建物は古いからいがんでいる。
これでどうやって正確に垂直に立てるかと言うと…
これ。このマシン。
BLACK&DECKERの垂直水平レーザー墨出し器。
これの真ん中がザクのモノアイ(目ん玉ね)みたいになっていて、
レーザービーム照射!
これがいつ何時病める時も健やかなる時も貴女のそばで垂直を出し続けるので、間違いなく柱を立てていけます。
ほかには電気ドリル。
やっぱりメジャーメーカーのはパワーが違う。
そして狭いところ、電気が届かないところにはバッテリー式のドリル、そしてインパクトドライバー。
インパクトドライバーってのは先っぽがハンマーになっていて、ドライバーの先を叩き込むのでこれまた便利。
グラスウールを壁の高さにあわせて切断。切断面からガラス繊維が飛散して悲惨。
手袋はゴム手袋でないと突き抜けちゃうからお掃除ママみたいなルックスになります。
エアーコンプレッサーから出る圧縮空気を使ってネジをぶち込む自動連続ネジ打ち込み機。
電気とは格段差のパワーで、頭に向かって打ち込むと人が死にます。
嫌いなアイツに一撃!
(死なない人もいます)
高所での作業(地上3m)は僕の仕事。
高い汚い臭い怖いの4重苦!
ガッツがある日は夜を徹して作業します。
一度上(天井予定地)にあがると泥だらけ。
これは全部工場備え付けのクレーンのレールに付いた錆。
柱の上にがんがん石膏ボードを打ち込んで行きます。
夜はなんだか幻想的な気分にすらなります。
多分シンナーとか空中を飛び交っているホコリとか変な薬品の効果です。
てきめん!
だんだん壁が出来上がってまいりました。
自宅(自営業なので自社)音楽スタジオ作りました。
というわけで、やっちん自主制作スタジオ、その名も・・・
まだ決まってません。
つか自慢げに名前付けるの恥ずかしいから仮に
「神戸は日が沈む西の果て伊川明石川の混じるところ、川の清きもにごりも飲み干して今ではこんなに大きくなりました、思い立った日はいつのことやら快晴風 雨豪雪地震あらゆるものがいまや自分の大事な糧、こんな未熟な僕ですが支えてくれる仲間とともにいつか見てやる一番星スタジオ」
としておきます。
そのスタジオを作ろうと思い立ったのは2006年の6月頃。
「好きなだけドラムが叩ける場所が欲しいなぁ~…」
と一人ごちていたところ、
「作れ。」
と親父が一言。
ドラマーにとって何が一番問題になるってやっぱり練習スペース。
ギタリストはギターを、ベーシストはベースを、キーボーディストはキーボードをおのおの部屋に持ち込んで練習することができます。
が、ドラマーはそうはいかない。
ドラムというのは一つの楽器ではなく、「ドラムセット」という打楽器の集合体。
とある両乳首にピアスを開けた某外人ドラマーが
「僕はドラマーではなくドラムセットプレイヤーだ」
といい、
「アメリカではスネアが課題となったらスネアを持って部屋にこもり、その練習ばかりしていた」(うろ覚え)
のようなことを言っていた。
日本の住宅事情でドラムなんて家で鳴らそうものなら、間違いなく追い出される。
ピアノですら殺人事件に発展しているのに、僕はまだお星様になりたくない。
ちなみに、普通ドラマーがドラムセットで練習するときは、リハーサルスタジオを個人でレンタルする。
これが馬鹿にならない値段で、神戸では1時間500円~、東京では700円を越えるところもざら。
つまり週3回2時間づつ練習しようと思ったら、それだけで3000円。スティックが折れたりすることで月に1万円以上はかかる。
あれ?意外と安い?
んなことない、人にレッスンを受けるにはもっとかかるし、機材をそろえたりライブ活動をしたり、とにかくお金がかかる音楽活動では、この出費は親指の爪の間に竹串を刺されるような痛さだ。
ちなみに僕は左利きなので、個人練習のときはまずドラムセットを左利きに変えることから始める。
楽器を鏡張りに全部ひっくり返すのに、時間はかかるわ楽器は壊すわ怪我をするわ、とにかく手間がかかる。
結果、ひとより長時間スタジオを借りないといけない。
これがスタジオを作ろうと思った一番の理由だ。
だからよっぽど変わり者で無い限り、ドラムを左利きで叩くのはお勧めしない。
(本番前リハーサルで楽器移動時に怪我するのもしょっちゅう。動かすから機材トラブルも2倍。)
話がだいぶそれました。
さて、「作れ」と言われてもどうしたものか。
まず必要なのはドラムを叩くためのスペース、そして防音設備。
親父様に真意を伺ってみたところ、
「会社の二階の倉庫を使え。」
とのこと。
実は僕の家は自営業で、工場の二階が倉庫になっている。
まずそこに足を踏み入れることはないのだが、確かにそこならかなりの広さがある。
何より回りを気にせずドラムを叩けるという魅力に取り付かれた僕は早速倉庫を見てみる。
無理。
10年以上放置された機械類、今ではかなりビンテージ。ありえない重さ大きさの鉄の塊にダンボールが所狭しとおいてあり、そこに乱舞するホコリの量たるやもはや
「劣悪な環境条件下で働かされる某国児童を救え!」
キャンペーンに出てくる悲惨な労働環境そのもの!
しかも季節は梅雨!
この時期にはもう40度を越えるいわゆる「屋根裏」での清掃作業は地獄絵図。
基本スタイルが防塵マスクに手袋、シャツやカーゴパンツ(ユニクロでそろえた)が毎日ドロドロ、汗だくでメガネは曇りずりおちるけどホコリの量が多すぎてコンタクト出来ない、グラスファイバーが身体についたらそれこそ痒くて寝られない。
みんながウキウキ彼女と彼氏とセフレと友達という名の都合よい存在と合コンで海で飲み会でデートでカラオケで花火大会で盛り上がっていたこの年の夏、僕は屋根裏倉庫で一人、泥まみれになって過ごしたチクショー!。
(恨み節)
そして7月、
8月、
9月。
この夏の友達は
・あらゆるごみホコリを吸ってくれる 集塵フィルター付き掃除機
・重量物を持つときには必需品 ゴム付き手袋
・機械をバラす時間が大幅削減 電動ドライバー
・2トンまで持ち上げられるクレーン
・耳掃除からお風呂で洗いっこまでしてくれる脳内彼女
など、沢山友達が出来ました。
夏を女の子と楽しく過ごしてきたお前ら(誰だよ)なんかに絶対負けねぇ!(思い出し怒り)
そして9月某日、半端なくでかかったり重かったり鉄の塊だったりする機械たちを鉄くず屋に売り払う。
まずばらせるものは(技術的にそして法的に)全部バラす!(まだ腕細い)
どっから集めてきたものか分からないが、とにかく山ほどある鉄クズを(時には機械を)外に出す。
犬が出てきて手伝うと言って聞かないため、犬小屋に閉じ込める。
あまりにもすさまじい量だったため、近所の農家の人にフォークリフトでトラックに積み込んでもらう。
ありがとうございました。
ちなみに総重量は2トン弱。曙が215kgだから、え~っと曙10人分の機械が運ばれていった。
なんかその倉庫にあった、昔の漫画の悪の司令室にありそうな穴あき紙が出てくる機械。
8インチのフロッピーディスクなんて今の若い子は知らないと思うけど、昔のPC。
そうして9月の終わりごろ、いよいよスタジオを作る準備が整った。
ロックにボンゴは合わない。
え~アコースティックライブを行うバンドを見たことがあるでしょうか?
バンド形式でアコースティックライブをやる時に一番困るのはドラマー。
ドラムはもともと生楽器なので、音が大きい。
野外でライブをやるときに一番問題なのもドラムの音。
だからアコースティックライブ「も」やるバンドはドラムがお休みか、ドラムが他の楽器を持つことが多いです。
ポップやロックをアコースティックでやる場合に重宝される楽器がカホン。
皆さんも街中で演奏するバンドで、なんか箱を叩いている人を見かけたことがあると思います。あれがカホンです。
で、僕はというと、何故かライブで手にしているのがボンゴ。
「理由は?」
と言われたらもうぼやけてしまいましたが、確か
「ラテンな僕には陽気なビートがピッタリ!皆でサンバしようぜ!」
「色んな交通手段であちこち行くのにカホンはでかい。重い」
そんなところだったと思います。
つか買う金ねぇ。
以前のコーナーで作ったカホンも試作段階なので、本気で作らないといけない。
つうわけで、今はボンゴとタンバリンとシェイカーを使っています。
ボンゴ。
で、ボンゴの何が問題かというと、ボンゴで作れるフレーズがドラムの役割とかけ離れている事と、音が陽気すぎて、曲が愉快なものになりがちであるということ。
すっげぇ泣きのバラードに、ボンゴのラテンっぽい「カーン!」という高音が抜けてしまうと、
「ぷっ!」
って噴き出しそうになってしまう。
これは問題である。
いくら普段の僕が愉快で男前だからといってこれは困る。
だから改造してみた。
今日の材料は、紀伊半島沖で獲れた鮮度のいいスナッピー(太鼓の裏に張る部品)です。
このザラっとした金属音で、ボンゴの高音を汚して、ドラムっぽい音に変えてしまおうと言うわけです。
そしてこれはホームセンターで400円くらいで購入した自転車の鍵かなんか。
これをどう使うんでしょうね?
まずは部品をばらします。
ベッドインした女性の衣服のように慎重に扱います。
後でどっかいった!って困らないように。
そして金属の薄い板を切り取ります。
これをジョイントにして、先ほどのスナッピーと自転車の部品を繋げるのです。
なんか機械で挟む。
火花でバチ!と溶接します。
スナッピーはそのままではサイズが長く、生食に適しませんので、ぶった切ります。
ぶった切ったスナッピーをこれまた自転車の部品と溶接します。
自転車の部品と、金属の板と、スナッピーを繋ぎ合わせた状態。
上にあるのが切り取ったスナッピーのあまり部分です。
これをネジなどを使ってボンゴに取り付けます。
途中間違った場所に穴を開けてしまって、開いてしまった穴に割り箸を突っ込んで穴埋めしたのは秘密。
さて、無事に取り付けが完了したら(写真は取り付け前ですが)早速音を鳴らしてみましょう。
先ほどの自転車の部品で、スナッピーは着脱式になっております。
すなわち、ボタンを押したらスナッピーはボンゴにくっついて
「ジャッ!」
という音が加わります。そして押し付けられる分若干ミュート(消音)されます。
ボンゴの高音の問題点
「ボリュームがでかい」
「音が綺麗に抜けすぎる」
を一気に解決できるはず!
音番号1 ノーマル状態のボンゴ。
(スナッピー無し。ポップス用にチューニングをかなり低めにしております)
音番号2 スナッピーを付けた状態のボンゴ。
(高音に汚しが入ってボリュームが下がりました。)
音番号3 改造ボンゴで8ビートっぽく叩く。
どんな感じでしょうか?
高音部分が、叩く部分と強さによってスナッピーの効き具合が変わって面白いものになりました。
今まで全力で叩くと高音が抜けすぎて苦情殺到だったのですが、これならいけるんじゃないかと。
そして調子に乗って叩きまくってて今右手中指が非常に痛いです。
というわけで高音はかなりいい感じになったので、次は低音部分にウーファーでも取り付けてみようと思います。
(もはや生楽器じゃなくなるだろ)