7月22日。
パリを発ち、フランス超特急TGVでフランクフルトへ向かう日。
男の子なら一度は夢見たTGV!
子供の頃与えられた電車の本には必ず載っていたあのオレンジと紺色のかっこいい電車!
ルフトハンザ航空もそうだけど、オレンジと紺の組み合わせが大好きなんですよね。
さて、TGVのチケットはツアー会社が取ってくれているものの、基本的な移動は自分でやらないといけないので、6時半に目覚ましをセット。
次の日、無事に起きられて、チェックアウトの準備の後、朝食→8時にチェックアウト。
「タクスィー!アイウォントタクスィー!」
みたいな呪文を繰り返し、受付のマダムにタクシーを読んでもらう。
(実際はそこまで拙くはないが)
タクシーでEST駅(パリ東駅)に到着。
メーター表示は10ユーロなのだが、運転手は11ユーロと言う。
チップ代か?
日本で生まれ育ったのでどうしてもこのチップという観念がよく分からない。
パリやドイツのタクシーでは料金の端数を「Keep the change(お釣りはあげるよ)」というのがチップらしい。
ホテルなどでサービスを受けたら1ユーロくらい渡すのがスマートだとか、さりげなく渡すのがスマートだとか、サービス料込なのでいらないだとか、色んなスマートが旅行本には書いてあった。
マニュアル熟読主義の僕は本によって書いてる内容が違うのでいい加減腹がたって、
「そんなに欲しけりゃくれてやる!」
とパリジャンの鼻っ面にぶつけてやろうと思っていたのだが、とりあえずタクシーに1ユーロを渡すときょとんとされた。
「チップ」
というと、なんか凄く感謝された。
やっぱお釣りで良かったのか。
まぁ以前友人が「ハワイではロクなサービスもしないくせに堂々と『チップくれ』とか言ってくる」と怒っていたので警戒していたが、パリ人は基本スマート&親切なので、払うことに不満はなかった。
EST駅。
でかいが長距離列車には改札がない。
(写真右は近距離&通勤電車用の改札のようだ)
じゃあどうやって電車に乗るのか?といえば、ホームにある「打刻機」に自分で乗車券を入れて刻印するのだが、まずホームが分からない。
というのも、
「新快速~4番線ホームでお待ちください~」
な日本と違って、どの列車がどのホームに入るかはあらかじめ決まっていないらしく、時刻表の電光掲示板にはホームが決まった列車の分しかホーム番号が表示されていない。
(ホームが決まった電車のみ、右側にホーム番号が表示される。なので掲示板前には乗客が集まってみんな見上げている)
なのでとりあえずフランクフルト行きのTGVのホームが決まるまで、列車の写真を撮影して回る。
電車カワイイー!
写真右はパリジャン&パリジェンヌ通勤風景。
TGV!TGV!
期待していたようなオレンジ紺の車両はもう無いのな・・・。
ちなみにベルギー、オランダなどに行く「タリス」やイギリスに行く「ユーロスター」もあまりかっこいい色じゃない。
売店にいきなり裸のお姉ちゃんの写真があってビビる。
思わずモザイク入れてしまうくらい、乳首が丸出しだった。
あれか?テレビのファッション通信パリコレとかでモデルのお姉さんが乳首丸出しで歩いてるけど、アレと同じでアートって事かえ?
周りの皆が割とのんびりしてるので平和だなぁとカメラ片手にうろうろしていると、雑踏の中にマシンガンを持った軍隊?がいきなり現れてビビる。
周囲はまるで気にも止めていないが、軍隊だけ3人ほどがホームをゆっくり等間隔で歩いていく様が異様で、「こいつらがもし手元ミスったら回りが阿鼻叫喚の地獄絵図になるじゃないか」
といらん心配をしてしまう。
そうこうしているうちにフランクフルト行きTGV、掲示板に「3」とホームの番号が表示されたので、打刻機の前にたつが、紙を差し込んでも
「ピー」
エラーが出る。
えー・・・これ打刻機じゃないのかな?
(左が打刻機、右の機械も近くにあったけど、何の機械か分からず。右は時計。24時間表記も併記。)
打刻機を忘れたら罰金だとフランス本に載っていたので焦る。
しょうがないから駅員に聞こうか・・・?ときょろきょろしていると
「いけたで」
母が何度もガチャガチャ突っ込んだら刻印されてた。
地下鉄やRER(郊外列車)に何回か乗ったが、機械壊れ過ぎ。センサーいい加減過ぎ。
そしてフランス人、壊れてるのに慣れ過ぎ。
(左、打刻機で縦に打刻されたチケット図、右、チケットはこんな感じ。)
そういやメトロではコインしか入らない券売機が多いので、札しかなければインフォメーションに両替してもらった。
つかチップもコインだし、面倒過ぎ。
話はそれるが、パリを発つ前に
「初日の晩に枕元にチップを置いてなかったから、足拭きマットがない!」
と母が騒いでいた。
入国した時に札しかなかったため、1ユーロがなく、とりあえず枕元に50セントや20セントなどをごちゃごちゃ置いておいたのだが、手はつけられていなかった。
そしてその日は二人部屋に小さなタオルが3枚バスタオルが2枚だった。
次の日に3ユーロを同じ場所に置いておいたら持っていかれていたが。
実際のところ、ベッドメイクなどでチップを置いていなかったら、シャンプー足りないとかそんなイヤらしい攻撃してくるのだろうか?
僕はフランス人適当だから間違えただけなような気がする。
もうホント、チップめんどい。
(ビールの広告。ビール部分がハリセンみたいになっててパカパカ動いて可愛いんだけど、動作音がギギギギうるさい。でもフランス人気にしない。)
さて、話はホームに戻るが、無事打刻出来たが今度はホームが分からない。
シートは67とチケットに書いてあるが、TGVは座席の型に数字が書いてあるので、遠くからではだいたいどこに席があるのかが分からない。
近くのアラブ系の男性に聞くと、席まで連れて行ってくれた。
白人、黒人、アラブ系、ベトナム辺りのアジア系、どの人種も基本親切。
ただし中国人、てめーは駄目だ。
(以前ベトナムに行った時に華僑の方にとても助けてもらったのだが、旅行者の中国人はほんとマナーが悪い。喋ったら親切なので、悪気がないのが困る。)
ちなみに、乗車前にスーツケースに貼付けるシール?をもらって、TGV入り口に大きい荷物を預けるのだが、この時僕はそれが分からずごっつ重いスーツケースを座席の上に載せて腰を痛めた。
(このシールを巻いてTGV入り口脇の置き場に置くはずだったのだが・・・)
TGVの中、母がトイレの流し方が分からないと言っていたので、トイレに行ってみる。
フットペダル式であることはすぐにわかったが、今度は手を洗う水の出し方が分からない。
見た感じは日本と同じセンサー式だったのだが、反応しない。
結局感度が悪いだけだった。
フランスの機械は一事が万事こんな感じ。
さて、出発。
近くの席で誰かがゲームをやっているらしく、一昔前のピコピコ電子音が聞こえてくる。
結構な大きさなのだが、誰も気にも留めていない。
ここまで来ると、自分が、日本人が神経質すぎるだけなのかと不安になる。
ちなみに、となりではカップルがキンドル使っていた。
日本ではまだ見たことがない。(欲しくはある)
3時間ほど揺られた後、ドイツ到着。
(フランクフルト駅)
モン・サン・ミッシェルを観に行った帰りのバスの中で、みゅうツアーから気軽に本格フレンチが食べられるお店のインフォメーションがあった。
今回のモン・サン・ミッシェルツアーがかなり良かったので、晩ご飯捜すの面倒せっかくだから行ってみようと予約をとってもらう。
お店の名前はPomze。
何でもりんごをテーマにした料理が出るらしい。
意気込んで暗くなりだしたパリの街に出るも、マッハで迷子に。
そもそも僕は割と方向音痴で、神戸在住なもんだから山=北、海=南という概念しか無いので、東京や大阪、名古屋や札幌、つまりどこでもよく迷う。
しかしこの数日でパリジェンヌがみな親切だからと分かってからは超アクティブに道を聞く。
片言英語でもちゃんと耳を傾けてくれ、分からなくてもそれなりにアドバイスしてくれる。
なんとか予約時間内に店についた。
添乗員さんが言うには、「フランスでは店の予約を8時半と言えば、前後30分は待ってくれます。高級店では45分は待っててくれます。」
との事。
そりゃ住んでる人たちが皆こんだけのんびりしてたら、店もそうならざるを得ないわな。
お店に入ると、日本人スタッフがいて、日本語で注文できた。
非常に気が楽。
リンゴを使ったバター。形もリンゴで可愛い。
スープ。
表現するのが面倒なほど美味い。
僕はメインをカモ肉にしたのだけど、スマホカメラの限界。
美味しさが全く伝わらない写真に。
この日まで食べ物に文句ばっか言っていた母がとても喜ぶ。
確かにこの可愛さ、オシャレさ、美味しさ、ピアノの生演奏ライブを横に飲み物が3杯までついて日本円で4500円くらい。
地元神戸にあったら絶対デートコースに組み込むわ。
堪能した後は、1階で売っていたリンゴのジャム(瓶詰め)をお土産にしこたま買う。
店員さんに
「ヨーロッパを発つときは飛行機の重量制限が厳しいですよ…」
と言われても構わず買う。
ほろ酔い気分で外に出るも、全然タクシーが捕まらない。
パリには流しのタクシーがあまりいないらしい。
諦めてメトロで帰ることにする。
自分一人なら全く問題ないが、ほろ酔いの母を連れてのパリ地下鉄は緊張する。
気を張りながらの帰り道は、どっと疲れた。
ホテルのあるオペラ駅の地上に出て、一安心。
夜11時のパリはさすがに更けていたが、まだまだ人が沢山あるいていた。
http://www.pomze.com/
三日目、モンサンミッシェル。
パリからの距離が約360キロ、TGVで行っても時間がそう変わらないという話だったので、この日はミキトラベル「みゅうツアー」に申し込んだ。
朝7時20分、ギャラリーラファイエット前に集合。
全員黒髪のストレート、日本人が集まる事に逆に違和感を覚える。
この日は新婚っぽいカップルばかり。
母を隣に
「僕も新婚なんです」
というボケはリアクションがとれなさそうなので封印。
一度の休憩を挟んで片道4時間の行程をベンツのバスで。
腰へのダメージがかなりのものなのと、出発と同時に雨が降り出したので不安に駆られた。
しかし、年配の添乗員さんが非常に良い声で、落ち着いたアナウンス、深いウンチクでとても良かった。
パリを離れると、すぐに穀倉地帯が広がるのが意外だった。
牛、馬、羊が次々に現れて、車窓から見ていて飽きない。
ただ、走りだしてからしとしとと雨が降りだした。
添乗員さんが言うには、「先日までは農業に被害が出るくらい雨がふらなかったのですが、ここ数日は雨が続きそうです。現地の天気に期待しましょう」だそうで。
途中サービスエリアによって朝食のパンを買う。
(現地で使うレシーバー、sennheizer製。添乗員がマイクで話すものを無線でキャッチ、便利だけどノイズがひどかった。)
3時間半程バスに揺られて、ようやくモン・サン・ミシェルが見える頃には、空も晴れてきた。
現地につながる道は狭く、バスやヨーロッパ各地から集まってくる車で大変な渋滞。
バスの中では皆一斉にカメラを取り出してパシャパシャ。
この旅行の1ヶ月前にフランスに行った友人が
「モン・サン・ミシェルが最高!」
を連呼していたが、確かに期待通りの風景に否が応も高揚する。
到着。くつろぐ日まもなく、観光客でごった返す入り口の階段を登っていく。
早速、モン・サン・ミシェル名物のオムレツを食べに行く。
MAZUI。
日本を発つ前から美味しくないとは聞いていたが、ぶっちゃけまずい。
食べ物が貴重な時代、場所で、巡礼者に少ない卵で沢山食べてもらうために考案されたという「ふわふわオムレツ」、飽食時代の僕にはスカスカでしかなく、塩を胡椒をかけてかき込んだ。
確かに添乗員も「非常に珍しい味です」としか言わなかった…。
このレストラン、観光地ずれしているのかあまり感じも良くない。
ひょっとしたらツアーなので入った店がオリジナルのラ・メール・プラールじゃなかったかもしれないが、どうでも良いくらい美味しくなかった。
一応、最後に出てきたリンゴタルトは美味しかった。
日差しが強くなってきた城内をどんどん登っていく。
ダンジョン探索のような気分になる。本当に中世に迷い込んだようだ。
突如目の前が開け、カモメが飛び交う屋上に出る。
最上部の教会前広場からは絶景。絶景。
当たりは一面干潟。
干潟で遊んでいる人もいる。
行きの大雨が嘘のように晴れてくれたことに感謝。
堪能した後、教会の中へ入る。
ヨーロッパの教会はきらびやかなものが多いが、僕個人としては、ここのような無骨とも取れる作りの建物がすごく好きだ。
木の家に住む自分たちとの違いをすごく感じる。
教会から階段を降りてだんだん下へ。
(中庭。大理石でできている部分も、長い年月で風化してきている。)
(左から、聖職者用の食堂、天使がオベール司教にモン・サン・ミシェル建設を急かす図、来客用食堂、煙突。)
順路通りに歩くと、外に出た。キノコマニアも苔マニアも満足!
「海のバスチーユ」と呼ばれ、監獄に使われた時期も。
逃げられる気がしない…。
かと思うと突然可愛い家も出てくる。
外人の子どもが「Kitty! Kitty!」と騒いでいる方向を見ると、子猫が。
また、街まで降りてきた。一番右、セントジェームス!入城時に店員さんに「アトデー」と言われた。
ちなみにフランスに行く前に「パリジェンヌはセントジェームスなんて着てないよ」と書いてあるサイトがあったが、可愛いお姉さんが普通に着てた。
集合まで時間があったので走って遠景を撮りに行く。
モン・サン・ミシェル4連発。
観光に来ている外人みんなが浮かれてたので、日本を代表してちょけて来た。
そして帰路へ。
遠くなっていくモン・サン・ミシェルをボケっと見ながら、また3時間半の道のりを帰っていった。
車窓から、モン・サン・ミシェルと牛。
凱旋門から今度はベルサイユ宮殿へ。
母は
「ベルサイユの薔薇!」「ベルサイユの薔薇!」
と連呼し、ベルサイユ宮殿であると何度修正しても覚えてくれない。
ベルサイユ宮殿はパリからRERという郊外高速鉄道で20分くらいということなので、まずは凱旋門のあるCHALRES DE GAULLE ETOILE駅からエッフェル塔あるCHAMP DE MARS TOUR EFFEL駅までメトロ(地下鉄)に乗る。
初めてのメトロ、早速片方の紙幣が使える券売機が壊れている。
もう片方はコイン専用。
しかもまずタッチパネルで言語を選択し、チケットか回数券かを選んで、その後専用のコントローラーで枚数を選び、またタッチパネルで領収書を発行するか選択し、お金を入れてようやく買える。
しかも機械なのに発券が遅い。
もっと簡素化出来るだろ・・・。
必死に手元の小銭をかき集めて何とか購入。
(パリ内を走るメトロはどこまででも1.7ユーロ。)
周りの人に聞けばまず確実に親切に対応してくれるので、最低限の英語が喋れれば何とかなる。
エッフェル塔まで言って乗り換え。
均一料金のメトロと違い、ベルサイユ宮殿まで行くRERがめちゃ難しい。
先ほどの面倒な券売機の手順に加えてさらに目的地まで選択しないといけない。
加えてまた紙幣が使える機械が壊れているため、インフォメーションセンターの若いお兄さんに両替してもらい、
「Go and Back?」
行き帰りの切符も買ってもらう。
RERに乗り、ベルサイユに向かう。
郊外高速鉄道とは名ばかりで全然早くないし、汚い。
窓にも引っ掻かれた落書きが沢山ある。
ちなみに、パリ全域で「どないしてそんなとこに落書きするねん」と驚くくらいとんでもないところに落書きがある。
高速道路の看板の裏や、電車の屋根、橋桁、畑の貯水塔など、色んなところに落書きされている。
二階席は空いていたが、若干うさんくさい客層で、向こうの席ではBlack Eyed Peasみたいな黒人がビールを片手にしばらくクダを巻いた後、口を開けて寝ていた。
ベルサイユ宮殿の駅に到着、同時に雨が降り出す。
10分ほど歩いて宮殿に到着し、入場の列に並ぶ。
ここでも中国人、全然列を守らない。前でのんびりベビーカーを畳んでいるフランス人も呑気だが、僕はすぐ割って入ってこようとする中国人を妨害するのに体力を使ってしまった。
小雨の中、ベルサイユを回る。
大味過ぎ。
入ってからずっとルイ14世の肖像やルイ14世の調度品やマリーアントワネットの調度品やまたルイ13世の肖像、ルイかマリーかルイかマリーかルイかマリーか!
同じような物ばかりで飽きる。
しかも室内が暗く、また混んでいる。
建物二階に上がっても豪華な、似たような調度品が沢山ならんでいるだけの部屋がずっと続くので、速攻で飽きて出口を探す。
アン・ハサウェイの口を小さくしたような僕好みの職員さんに出口を訪ねると、
「Emergency EXIT, left. No visit?」
と聞かれる。
「もう出る」
と伝えると、可愛く「もったいない~」みたいなリアクションをされた。
いやつまらんし。
さて、1階出口まで来たが、今度はガーデンへの入り口が分からない。
そばのディカプリオを細くしたようなハンサム職員に道を尋ね、たどたどしくも「メルシーボクゥ」とお礼を言うと、手を合わせられた。
わしゃ仏かインド人か。
雨も止んで広い庭園に繰り出す。
ベルサイユ前には、セグウェイが走っていて、35ユーロぐらいでベルサイユをセグウェイで回るツアーみたいなのがあるのを見て
「アホじゃないの?」
と思っていたが、ガーデン、クソ広すぎ。
アホは僕の方だった。
死ぬほど広い。
「ちょっとガーデンの向こうのカフェでお茶でもしようか!」
と繰り出したのだが、あんまりにだだっぴろいのでマッハで断念。
笑いながら宮殿を後にした。
(駅から宮殿まで遠い、宮殿入り口から建物まで遠い、建物からガーデンも遠いけどみんな歩いている。西洋人とは歩幅が違うのか?)
ベルサイユ宮殿駅からエッフェル塔駅まで戻る列車は混んでいた。
入り口付近で立っていようとすると、となりのアラブ系に声をかけられる。
どうやら「あっちの席が一つ空いているから、お母さん座ると良い」と言ってくれているようだ。
甘える。
(並木道が多くて気持ちいい。右はヨガのエッフェル塔のポーズ ※そんなのありません)
母がエッフェル塔でクレープを食べたいと言い出すので、RERを降りて近くのカフェへ。
Green Dayのヴォーカルみたいなウェイターに二つクレープを注文。
母、あんまりおいしくないと言ってほとんど残す。
コノヤロウ。
その後、セーヌ川のほとりを散策。
(初公開、母。船に花の鉢植えがあったり、川べりにも可愛い町並み。)
朝早くから歩き回って疲れたので、タクシーで帰ろうと思ったが、全然空きタクシーが走っていない。
しかもインフォメーションセンターで教えてもらったタクシー乗り場に全然タクシーがこない。
あきらめて2回乗り換えてホテルのあるオペラ駅まで戻る事にする。
パリのメトロ、基本的には路線が全部色分けされていて看板もあり、ホームまではいけるのだが、電車が古い。
しかも電車内の路線図の方向が進行方向と逆だったりするので大変。
近くのお姉さんに「オペラまで乗りたいんだけど、この列車であってる?」
と聞くと、分からないと言っていたのに乗車後、掲示板を指差して教えてくれた。
地下鉄はアナウンスなどもなく、音楽も流れていない。静かだな・・・と思ったのもつかの間、アコーディオンを持った黒人が乗ってきて走行中に列車の中でガンガンに曲を奏でだす。
いや上手いけど電車の中、真横でガンガンに弾かれても。
パリジャンはみんな無視していたが、とりあえず50セントほどチップを渡したら、別の車両に乗り換えてまた二台のアコーディオンをガンガンに弾きだした。
それを尻目に、下車。
(左、RERのベルサイユ行き切符と小銭。右、この時点で夜8時だけどまだ明るい)
午後7時、パリの中心、オペラ地区にあるホテルに帰ってくる。
ホテルのお姉さんの話す片言日本語に癒される。
一息ついて、百貨店「ギャラリー・ラファイエット」に行く。
免税してもらえるのと、日本人サービスカウンターがあるという事で、お土産をここで買う人がおおいそうだ。
僕はお土産を買わない、求めない主義なのだが、母がマカロンをお土産にと言うので、ピエール・エルメへ。
ハンサムな黒人店員に賞味期限を聞くと、「4日」という返事。
この後1週間滞在するので、賞味期限の長いチョコレートにする。
日本人カウンター、おそらくブランドものを買ったであろう年配の女性客が詰め寄り激烈混み。
日仏ハーフっぽい可愛い美人系お姉さんが汗をかきながらさばいていた。
晩ご飯は、フランス旅行ガイドに載っていた「ビストロ ル・メスチュレ」に行く。
店員のお姉さんがとても親切で思わず惚れてしまう。
お姉さんがベリーベリーナイスと進めるtodays specialを母用に頼む。
そちらはおいしかったらしいが、僕の方のフォアグラがかなりのボリュームで出てきてビビる。
日本ではフォアグラはペットボトルのフタぐらいの大きさが常識ですよね・・・。
胸焼けする。
(左がフォアグラ、右はデザートのチェリー入りプディング。美味しい。でもでかい。)
10時ごろ、ようやく暗くなってきた町並みを戻って帰る。
風呂に入って髪を乾かす間、テレビはなぜかマカレナとかスキャットマン・ジョンが流れる。
そういえば、パリは町中に全然音楽が流れていない。
オシャベリするのに邪魔だからだろうか?
など考えて、就寝。
二日目、朝7時起床。
行きの飛行機がトランジット込で14時間だったので疲れたのか、すっきり起きられた。
ホテルのレストランで朝食を取る。
ダノンのヨーグルト、パン、フルーツポンチなどを食べる。
普通。
お茶かコーヒーか聞かれるが、どこのホテルやレストランでもTeaと答えると
「Green Tea?」
と聞かれる。まぁ日本人ですしね。
いや紅茶、と答えたくも、じゃあGreen Teaじゃない普通のTeaはなんて言うんだろう?
と困って「Not Green Tea」と答えていたが、English Teaで良かったらしい。
義務教育にまで英語が組み込まれているのにこんなことすら分からないなんて!
この日はフランスで一日フリーなので、美術館巡りに繰り出すことにする。
パリではミュージアムパスを購入する(2日券35ユーロで)と大体の美術館に入れるようなので、近くのインフォメーションセンターに買いにいく。
インフォメーションセンターでボンジュールと言うなり
「日本語の方が良いですか?」
と品のいい黒人女性。
「日本語美味いですね!」
と驚くと、
「日本育ちです。目黒、品川に住んでいました。」
と言われてビックリ。
パスを購入して、使い方を教えてもらう。
まずは歩いて数分のルーブル美術館へ。
ものごっつい建物の真ん中にガラスのピラミッドがあり、そこが入口らしい。
沢山のフランス人が並んでいる。
前日も晩ご飯の時に隣の映画館にかなりの行列が出来ていた。
町中でも色んなところに行列があり、みんなのんびり並びながらぺちゃくちゃオシャベリしている。
めちゃ美人の職員さん(産毛のヒゲが凄い)にこのどこから入るのか聞くと、長蛇の列ではない別の短い列から入れると教えてもらい、なんとか中へ。
朝9時開館直後なのに、凄い人の数。
ここでも中国人、通路いっぱいに広がって止まってたり、並ばなかったりと酷い。
フランス人も顔をしかめる。
まずミロのビーナスを見に行く。
でかい。
んー、腰のライン(ぽっちゃりぎみ)は好みだが、いかんせんでかい。
その先、エジプトコーナーは程よく好いていた。
紀元前1600年の装飾品や、ラムセス2世像、スフィンクスなど、とても良かった。
ツタンカーメン山盛りで、見ていて飽きなかった。
その後、モナリザを見ようとするが、マッハで迷子になった。
ノラ・ジョーンズのような美人に道を聞くと、「Up Stair~Down Stair~Straight~」と非常に丁寧に教えてもらうが、僕の理解力が乏しいので半分ほどしか分からない。
何度も繰り返し教えてくれて惚れそうになった。
ようやくモナリザへの道が分かったところで、サモトラケのニケに遭遇。
写真では首も両手も無い状態なのでイマイチ興味がわかなかったが、実物は階段の上に展示されていて、またでかく、とてもかっこ良かった。
ルーブルに限らず、美術館ではみんなカメラ撮影しまくり。
白人黒人黄色人種問わず、みんな凄い勢いで一級の美術品の前でポージング。
美術品もそうだが、ミロのビーナスの隣でポーズを決めてるおばさんなど、逆に恥ずかしくないのか疑問。
で、モナリザ。
遠くからでも明らかにレベルの違う混雑具合でそこに居るのが一目で分かるモテ具合。
モナリザのみ、ガラスのケースの中に納められ、4、5人の係員がカメラを持って押し寄せるる客を押し返している。
たまに軽く将棋倒しになって職員が何か叫んでいる。
とても落ち着いて鑑賞出来る状態ではなかったので、近くでちょっと見て、混雑を後にする。
(とにかく石、石、石。エスカレーター無し、階段もごつい石!右はヘラクレスにボコられるヒュドラ。)
その後、混雑するヨーロッパ絵画が沢山並んでいるフロアをうろうろ。
多くがキリスト関係の絵画なので無宗教者である僕にはあまり興味がないが、よくCDジャケットでパロディされている群衆を率いる自由の女神など、メジャーなものを押さえておく。
ちなみに、個人的にはアリ・シェーフェルの「パオロとフランチェスカ」のぽっちゃり黒髪、ポール・ドラローシュ「若き殉教の娘」の2美人に惚れた。
パオロとフランチェスカはロンドンに同一作者の過去作があるらしいので、いつか行きたい。
2時間ほど回った後、退出。
「美術品は日本に来た時に見ようぜ…」
という結論になった。
というのも、ルーブル美術館はバリアフリーにほど遠く、各展示場に行くまでに石のごつい階段を何度も上下しないといけない。
特に中国人の割り込みや五月蝿さが酷い。
人もすごく多くて、とてもゆっくり鑑賞できない。
美術館周りには黒人が何人もエッフェル塔の模型や怪しいお土産を売っていた。
あとアンケートみたいなのがいた。アジアと違ってNoと断るとそれ以上追随してこないのはよし。
とにかく道が広いのと、ちょっと歩くと噴水や椅子があってパリジャン、くつろぎまくり。
いつ仕事してるの?
続いて近くにあるオランジェリー博物館。
美術商、ポール・ギヨームのコレクションが見られる。
母が若い頃ユトリロが大好きだった事、そしてモネの睡蓮を見たがっていたのと、僕がルノワール好きとあって、即決。
ここの入り口でも、タランティーノをちょっとインテリにした感じの職員さんに、片言の日本語で案内してもらう。
オランジェリーはセキリュティチェックがルーブルより厳しく、パソコンを持っていた僕は受付で書類にサインし、鞄を預ける事になった。
ここは一階2フロアがまるごとモネの睡蓮。
でかい。
あまり良さは分からないが、居心地はよかった。
(2フロアあって、どちらも4方向に違った睡蓮がかけられている)
地階にはルノワール、ユトリロ、セザンヌ、モディリアーニ、ローランサン、ピカソ、マティスなどの絵があり、ルノアールの「ピアノを弾く少女たち」が見られた。
ルノワールの描く女性はどれも可愛い。あと明るい絵が多いので、見ていると自分も明るい気分になれる。
出発前にはオルセーやモンマルトルなどの美術館にも行きたかったのだが、ちょっと大作ばかり見すぎて食傷気味になったので、コンコルド広場を抜けてシャンゼリゼ通りに。
もちろん母は「お~シャンゼリゼ~」
歌っていた。
(街角を歩いていてもものゴッツイ石像や銅像や石、石、石!重厚さの中に並木があるととても落ち着く。)
昼も12時を回ったので、適当なカフェでご飯を食べる事に。
ダニエル・ラドクリフみたいなウェイターがいるカフェに入ると、ロブスターを進められる。
50ユーロ。(この日は町中の両替商で1ユーロ103円前後だったから5千円)
昼からそんなもん食えるか!
本日のセットみたいなのを頼むと、僕の方は曇天で肌寒いのに「氷で冷やされた冷製スープ」が出てきた。
味は悪くないが寒い。
母にはなんかちょっと茶色くなったレタスのサラダが。
ちなみにこの時期(7月下旬)のパリは、Tシャツ、長袖シャツ、パーカーでちょうど良かった。
周りもダウンジャケットを着ている人から半袖Tシャツ1枚のみまで、色々いた。
さて、メインは極厚のチキンと極太麺のパスタが。
んーイマイチ。チキンがげんこつくらいの分厚さでナイフを入れるのも一苦労。
それでもご飯を食べて元気が出たところで、凱旋門まで歩く。
緩く続く上り坂が、原宿表参道みたい。表参道がシャンゼリゼっぽいが正解か。
ルイヴィトンの本店を通る。
凱旋門。
フランスに来てから何でも石で作られた街には圧倒されっぱなし。
凱旋門前の横断歩道の真ん中が凱旋門の一番正面になるので、横断歩道の真ん中に撮影する人間がたまりまくり、そのすぐ横をデカイバスが通り過ぎていく。
パリ、交通戦争が凄い。
全方向から全力で車が攻めて来て、人間やバイクもほんとギリギリを通る。ブレーキも急なのが当たり前で数十センチくらいまえで車が止まっても通行人は涼しい顔。
信号もあまり守らない。
そして車が右側通行なので、日本と同じ調子で信号のない歩道を渡ろうとすると、思っている方向と逆から車が来るから焦る。
慣れというのは怖い。
母と凱旋門前で記念撮影をしようと思い、日本人らしい人を捕まえて「写真撮りましょうか?」と話しかけ、自分も撮ってもらう事にする。
女子大生卒業旅行風の4人組に一人一台の合計4台のカメラを渡され、ガンガン撮影する。
こちらはごつい1眼レフだったのだが、快く撮ってもらえた。
凱旋門から今度はベルサイユ宮殿に向かうことにする。